3-2.音名、調、音階の英語表記



ポピュラー音楽では、「ドレミファソラシド」を「ハニホヘトイロハ」と呼んだり、「ハ長調」と呼んだりすることは実はあまりありません。

音名の英語表記は以下のとおりです。

図8

楽譜要らずのポピュラー音楽理論


調=Key

長調=Major Key
短調=Minor Key
(短調については後述)

ハ長調は「C Major Key」(シーメジャーキー)、イ短調は「A Minor Key」(エーマイナーキー)と読むことがポピュラー音楽の世界では一般的です。

音階=Scale

長音階=Major Scale(メジャースケール)
短音階=Minor Scale(マイナースケール)


♯、♭については、「ドレミ…」と同様に、英語音名の後につけます(F♯(エフシャープ)、B♭(ビーフラット)等)。

和音名の場合は、先ほども少し触れましたが、音名の前に「嬰」(♯と同義)、「変」(♭と同義)をつけます。

変ホ長調は、英語表記ではE♭ Major Key(変ホ=ミ♭=E♭を支配者とする長調)となります。

以下、本稿においては、調は英語表記を基本とします。


3-3.短調


3-3-a.短調の構造


結論を先に明示します。

「全音」「半音」「全音」「全音」「半音」「全音」「全音」

この並びが短音階であり(正確には「自然的短音階」)、この短音階から成る調が短調(Minor Key)です。

では、先ほどから素材として用いているC Major Keyと同じ「ドレミファソラシド」音階の各音を使って、上記の、

「全音」「半音」「全音」「全音」「半音」「全音」「全音」

の音階を構成するには、どの音からスタートさせればよいのでしょう。

これも結論を先に示します。

※図9

楽譜要らずのポピュラー音楽理論

※番号は、C Major Keyの主音であるドから順に付けたもの

「ラ」の音から始まる(「ラ」を主とする)短音階から成る調ですので、「ラシドレミファソラ」の音階から成る調を「イ短調」=A Minor Keyと呼びます。

このA Minor Keyは、C Major Keyと使われている音が共通しています。

C Major Keyの長6度の音である「ラ」から始めて「ラシドレ…」と音を並べると、「全音」「半音」「全音」「全音」「半音」「全音」「全音」という音並びの短音階から構成される短調となるのです。

このように、ある調と同一構成音からなる異なる調のことを、「平行調」と呼び、C Major KeyとA Minor Keyは平行調の関係となります。

あるMajor Keyの平行調たるMinor Keyは、

Major Keyの長6度の音から、Major Keyと同一構成音を並べた音階によって成る短調

となります。

例えば、「ソ」を主音とするG Major Keyの平行調であるMinor Keyは、G Major Key(ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯・ソ)の長6度の音である「ミ」から音を並べた音階(ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ)から成る短調となり、「ミ(E)」を主音とする短調なので、ホ短調=E Minor Keyということになります。

※なお、これまでの「全音」「半音」「全音」「全音」「半音」「全音」「全音」の短音階を「自然的短音階(ナチュラルマイナースケール)」と呼び、短音階にはその他、「和声的短音階(ハーモニックマイナースケール)」、「旋律的短音階(メロディックマイナースケール)」がありますが、ここでの詳細な解説は割愛します。

短音階も、長音階の時のように、

ゼン・ハン・ゼン・ゼン・ハン・ゼン・ゼン

と覚えましょう。


次回は、短調の印象からお話します。


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