1-3.音と重力、エネルギー消費量


観念しづらいかもしれませんが、音が動くためにも、エネルギーというものが必要なのです。

そして、音が動く距離については、近ければ近いほどエネルギー量が少なくて済みます(順次進行などがこれにあたります)。

また音にも地球の「重力」「引力」がかかると考えてください。

そう考えると、音は「下行」の動きがより自然な欲求でかつエネルギー消費量も少ないといえます。

以上のことをまとめると、次のようなことが言えます。

・エネルギー量の少ない動き…順次進行等音移動の距離が短く、かつ下行移動
・エネルギー量の多い動き……跳躍進行のように大きく音が動く、かつ上行移動


先ほどの「かえるのうた」を見てみますと、

「ド↑レ↑ミ↑【ファ↓ミ↓レ↓ド→】」

の【 】でくくった部分は、下行の順次進行であり、とてもエネルギー量の少ない動きといえます。

このようなエネルギー消費量の少ないメロディは、非常に滑らかで穏やかな印象を与えます。

それに対して、跳躍進行の例で挙げた「きらきら星」は、

「ド→【ド↑ソ→】ソ↑ラ→ラ↓ソ→」

の【 】の部分は、音が上に大きく跳躍しており、「かえるのうた」の前述の例に比べてエネルギー量の多い動きです。

このような場合、メロディの劇的な変化を味わうことができ、聴き手にインパクトをもたらすことが多いです。

先ほど、順次進行と跳躍進行を楽曲内でバランス良く登場させるとどちらか一辺倒よりは音楽的なメロディになるというようなことを申し上げましたが、順次進行で上へ音を向かわせるのか下行させるのか、上へ向かって跳躍させるのか下へ思いっきり落とすのか、そのあたりもメロディ作りの大きなファクターとなることをご理解ください。

また、その時にそれぞれの音の動きにどれほどのエネルギーがかかるのか、そのためにそのメロディの聴こえ方がそれぞれでどう変わるのか、そのような「理屈」も頭の片隅に入れておいて損はありません。


※次回は、「音程・度数」がテーマです。

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