肺がんの中でも、肺腺癌は

喫煙とは無関係です。

私も家族も、煙草は一切吸いません。

肺がんだなんて、まさに青天の霹靂。

2016年、肺線癌(1A)が判明してから、

手術後、抗癌漢方との出会いを経て、

経過観察を卒業するまでの記録です。

 

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肺がんの検査・治療をした中で、

 

痛みという点で忘れられない事があります。

 

それは、術後の痛みではなく、

 

動脈からの採血の痛みです。

 

動脈血の酸素濃度を調べる検査は、

手術を受ける際に必要な検査の一つです。

 

 

入院した日だったと思います。

 

主治医のK先生が、研修医さんを連れて、

病室にいらっしゃいました。

 

事前に、研修への協力への可否を書く用紙の、

「可」に丸を付けていたので、

勉強のために研修医さんが来られたんだな、

と、その時は軽い気持ちでした。

 

案の定、

「S先生です。今日は、動脈から

採血します。少し痛みがありますが、

必要な検査なので、宜しくお願いします。」

との事でした。

 

痛みには強い、と自分では思っていたので、

 

「わかりました。」

と即答しました。

 

 

とても明るくて可愛いS先生おねがい

 

「研修医のSです。宜しくお願いします。」

 

と、これまた可愛い声でした。

 

何でもござれです。

たくさん練習してくださいね~

と心の中で思っていたのですが・・・

 

 

S先生:

「足の付け根から採りますね~」

 

私:「はい」

 

「このへん、かな・・・

あれ?ここ、かな。」

 

と悩むS先生。

 

 

K先生:

「もうちょっと上。」

 

「ここですかね?」

 

「そうそう、OK。」

 

 

なんだか、不安なやり取りだ滝汗

 

 

S先生:

「チクッとしますね~」

 

 

ブスリと針が刺さる感覚が。

 

この時は、

まぁ、それなりに痛いなぁ。

位でしたが。

 

 

針先をぐりぐりして、

血管を探してるのが丸解り笑い泣き

 

痛い。

 

痛い。

 

もう少し我慢しよう。

早く終って!

 

なかなか終わらない・・・

 

痛い!

 

痛い!!

 

痛~~い!!!

 

それでもしばらくは我慢しました。

 

まるで子供のように、

不覚にもじわりと涙が溢れました。

 

K先生:

「う~ん・・・。」

と、横で難しい表情。

 

思わず私は、

 

「先生・・・ごめんなさい、

もう無理です。

K先生、お願いできませんか?」

 

言っちゃったよ~~えーん

 

 

だって、今まで生きてきた中で、

一番と言える位、

強い痛みだったんだもの。

私の中では、骨折よりも、

出産よりもキツかったのです。

 

 

するとK先生は、

 

「分かりました、ごめんね~。

代わります。」

 

と。

 

良かった~~チーン

 

K先生は、ササッと場所を決め、

 

「ちょっと痛いですよー」

と言いながら、

 

チクリ。

 

ぐりぐりされる事無く、

 

あっという間に採血完了!

 

 

すごい・・・

 

熟練した先生だと、

こんなにも楽なんだポーン

 

 

 

S先生は、私に頭を下げながら、

 

「申し訳ありませんでした。」

と、かえってこちらが申し訳なくなるくらい、

謝っていらっしゃいました。

 

「もう大丈夫ですから。こちらこそ、

せっかく頑張ってもらったのに、

ごめんなさいね。」

 

と言うと、少しホッとされたようでした。

 

 

その夜、S先生は、ひょっこり病室に

いらっしゃいました。

 

S先生:

「昼はすみませんでした。

あれから、変わりないですか?」

 

「大丈夫ですよ。お忙しいのに、

ありがとうございます。」

 

その後、少し雑談しました。

 

S先生は、2浪の末、医学部に合格し、

呼吸器外科に進みたいと志して、

K先生のところで学んでいるそう。

 

S先生は、とても真面目でありながら、

温かな眼差しで患者に向き合い、

何というか、そこにいるだけで、

人を癒すような雰囲気の先生。

 

きっと、数年後には、

素敵な女医さんになるんだろうな、

と思いました照れ

 

その後も、何度も病室に足を運び、

話を聞いて下さったのです。

 

あれから、もうすぐ8年。

 

今頃、どこかの病院で

活躍されているんだろうなぁ。

 

あの時はありがとう、S先生。

 

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