マーガレット・サッチャーは1979年から1990年まで11年間イギリスの首相を務めた初の女性です。鉄の女とも呼ばれていました。

 

当時のイギリスは”英国病”と呼ばれる深刻な経済不振や社会保障政策の行き詰まり、企業の国営化による生産性の低下などの問題山積み状態で、にっちもさっちも行かない状況に追い込まれていたのです。

 

当時の政治はまさに”宥和政治”であって組合や国民に対して”波風を立てない”ことに終始していました。穏便に進める、それが当時の男たちのやり方でした。

 

サッチャー首相は民営化の推進などを進めて組合等との闘いを巻き起こし、”ゆりかごから墓場まで”と言われた社会保障体制にも手を付けました。またソ連に対しても強硬姿勢を貫いて、結果的に冷戦を終わらせることに成功しました。

 

 

彼女の施政方針はとにかくブレないこと、世間が騒ごうが組合がストしようがお構いなし。嫌がることもあらゆる手段を講じて政策を前に進めていきました。

 

最大の戦いは”炭鉱の閉鎖”でした。すでに世界はエネルギー革命で石油が主流になっていましたが、国営化されていたイギリスの炭鉱はストなどで闘争を繰り返して誰も手を付けられない状態にありました。何しろ産業革命以来の基幹産業だったわけですから、これに引導を渡す仕事がどれだけ大変か。

 

イギリスが90年代以降新たな栄華を手に入れられたのは、このサッチャー氏の改革の賜物であり、北海油田の発見など好循環に繋がりました。

 

さて今の日本の政治って、1970年代のイギリスの”宥和政治”にそっくりだと思いませんか?根回しばかりで強行突破はできない、生まれる政策は妥協の産物ばかり。

 

それは男社会の議員たちが、ちっちゃな利益ばかり追求して正面からの対決を避けてきた積み重ねによるものです。今の政治家は小さくなり過ぎました。人畜無害です。

 

そうです、今の日本はあのサッチャー氏のようなブレずに正面突破が出来る政治家を必要としています。溜まりにたまったシステム疲労を一掃できるような。

 

恐らくそれが出来るのは、男ではなく、女だろうと思います。

 

政治ジャーナリストの田崎氏が言うような、貸し借りや義理人情或いは酒飲んで進める政治では何も変わりません。

 

男の論理を打ち砕く女性首相の誕生を期待したいものです。