こんにちは marumiと申します。
今日は【プライベート・ライアン】をご紹介します。
プライベート・ライアンは戦争ドラマ映画です。
舞台は第二次世界大戦中。アメリカ軍とドイツ軍との激戦の最中、とある特殊任務を命じられた精鋭部隊が様々な困難に遭遇する様を描いています。
プライベート・ライアンというタイトルは非常に有名ですが、お恥ずかしながら私は最近になって初めて鑑賞しました。
タイトルの『プライベート・ライアン』の『プライベート』は、軍隊の一階級である『二等兵』という意味を持っています。
つまり、『プライベート・ライアン』=『ライアン二等兵』。
原題は『Saving Private Ryan』=『ライアン二等兵の救出』。
精鋭部隊が命じられたとある特殊任務とは、ライアン二等兵を救出することです。
この映画で私が素晴らしいと思った点を2点挙げます。
①映画冒頭の伏線(このおじいさんは誰?)
②各兵隊個人のドラマを描いている
①映画冒頭の伏線(このおじいさんは誰?)
まずこの映画は、年老いた男性が家族とともに墓地を訪れるところから始まります。
予告をはじめとして、この映画が戦争ものであることは誰もが知っていますので、墓地といえば、戦争で亡くなった方のお墓だということは想像ができます。
ただし、この男性が誰であるのか、誰のお墓参りに来たのかは、ストーリーの結末でしかわかりません。
さらに、この年老いた男性は映画の冒頭、お墓の前で泣き崩れます。
毎年お墓参りに来ているのであれば、ここまで泣き崩れることはあまりないのではないでしょうか。
そうすると、久しぶり、いや、もしかすると初めてのお墓参りなのか?
戦争に駆り出されたのは若い人が多かったでしょうから、戦後かなりの時間が経ってから墓地に訪れたのでしょうか。
そうであれば、戦後、何らかの理由があって墓地に来ることができなかった?
墓地を見つけるのに時間がかかったから?それとも、罪悪感があってお墓参りができなかったから?
…いろいろな想像が『?』となって沸いてきます。
最後にこの点の伏線が回収されていて素晴らしいなと思いました。
②各兵隊個人のドラマを描いている
この映画の凄いところは、ストーリーの主線は【精鋭部隊の特殊任務】であって、必ずしもドイツ軍との戦いそのものではないところです。
そして、この映画の主演はジョン・H・ミラー大尉(トム・ハンクス)ではありますが、他の兵隊達が脇役にとどまっているかというと、そうではなく。
例えばフランス語とドイツ語が話せることから通訳として精鋭部隊に加わることになったティモシー・E・アパム伍長(ジェレミー・デイビス)。
実戦経験が無いことから、精鋭部隊の他の兵隊との距離感がうまく掴めません。
敵兵を殺害しなければならない状況であっても、できるだけ殺したくない。撃ちたくない。
仲間が殺される場面を目の前で見ても、おびえて攻撃できません。既に映画の中盤です。
しかし、アパムは映画の終盤で驚く行動に出ます。
アパムは本映画では脇役なのですが、とても存在感を出しています。
それは、アパムという個人のドラマを約2時間の映画を通して見せているからだと思います。
他の兵隊についてもしかりで、本映画は脇役を脇役として描いていません。
それぞれの兵隊が映画の中で変わりゆく様を描いています。
戦争って、いわゆる軍隊という組織の仕事の一つだと思いますが、相当な統制が取れていないとできませんよね。
アメリカが第二次世界大戦に参戦した時には、18歳から45歳までのすべての男性に徴兵登録が義務付けられました。
そして、第二次世界大戦終結までに1000万人が徴兵されました。
もちろん実戦前には事前の訓練も行われたとは思いますが、軍人としてずっと訓練してきたわけではない人達が、戦争のために集められたチームとして戦争に駆り出されます。
初めて会った他人と一緒にチームになって戦う、というのが日常茶飯事だったでしょう。
(よく戦争映画だと、『あんたどこ出身だ?』『ミシガンだよ』『ほう、ミシガンのどこだい?』…といった感じで故郷に関する会話があって、同郷ということがわかり意気投合…みたいなシーンがありますが、広いアメリカで同郷だったら、初対面でもそりゃあ打ち解けるよなぁと思います。)
現代社会だと、同じ組織で働いてきた同僚と信頼関係を構築するのさえ簡単ではないのに、戦争だと生きるか死ぬかの場面で命を預ける相手は最近知り合ったチームメイトになるわけです。
これってすごいことだよな~と思いました。
プライベート・ライアン、戦争ドラマとして見ごたえのある映画でした。
映画名:プライベート・ライアン(1998年)
原題:Saving Private Ryan
marumi採点:85点