ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』
この本、著者のダンさんのトボけているようで、しっかり狙っているキャラと文章が面白く(実際、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられる、ノーベル賞のパロディー版『イグ・ノーベル賞』を受賞したらしい・・。)、読んでいて飽きない本です。
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」/ダン アリエリー
- ¥1,890
- Amazon.co.jp
人間は合理的に行動するものだ、というのが従来の経済学の考え方です。
そうではなく、人間は不合理な行動をとるのだ!しかもそれはあるパターンを示し、想定が可能なのだ!という内容をいろいろな面白い実験などを通じて説明してくれます。
あくまでも学術的な話ではなく、純粋に人間の行動様式として理解したうえでビジネスなどでもすぐに役立てることが出来るのではないかと思います。
私が気に入ったエピソードは以下の3つ。
1章-相対性の真相
人間はきまった物差しで絶対的にものごとの優劣を判断するのではなく、相対的にものごとを選択するというエピソード。
雑誌『エコノミスト』購読の例を出し、以下の3つの選択肢を選ばせるのと、(2)の選択肢(実はこれが「おとり」の選択肢)を除いてしまうのとでは、全く選択した人数の分布が異なってしまうという実験が非常に面白いです。
(1) ウェブ版だけの購読 - $59
(2) 印刷版だけの購読 - $125
(3) 印刷版とウェブ版のセット購読 - $125
ビジネスにおいてどういったサービスメニューを揃えるべきかを考えさせられます。
2. 需要と供給の誤謬
価格は従来の経済学のように需要と供給で決まるのではなく、一番最初に頭に刷り込まれた価格に影響されてしまうという内容。
黒真珠やスタバの例を出し、いわゆる「アンカリング」について説明しているのが興味深いです。
ハイバリュー製品の営業には必ず必要になってくる考え方かなと思います。
3. 社会規範のコスト
何か他人にお願いするときに、お金で割り切る「資本規範」と、好意や社交性を期待する「社会規範」の違いを理解することが重要で、これらは両立しないというという内容。
コンピューター上での単純作業を学生に頼む際に「資本規範」と「社会規範」のどちらの方法を取るかによって結果が異なるという実験は説得力があって、なるほどと思いました。
組織や組織行動について考えるには非常に重要な要素であると思います。
この本は人気があるだけあって、内容は非常に面白いのですが、「行動経済学」とはなんぞや?という全体像を把握したい場合は、この辺の本から読み始めると非常に分かりやすいです。
行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)/友野 典男
- ¥998
- Amazon.co.jp