続き
父が退院するまでの間に私がやったことは…
色々ありました!
まずは会社でその時受注していた仕事などは、几帳面な父のおかげで見てわかりました…
取引先にはとりあえず現状説明をし、受注していた仕事のお断りとお詫び。
そして、下請けさんへの支払い。
私は幸い、会計事務所や商工会議所で働いていたので、多少知識があったと思います。
また助けてくれる方が周りに居ました…
会社がこの先立ち行かなくなる
会社の借入金、住宅ローン返済、私には返して行くことは不可能でした…
弁護士さんへ相談、これは当時のS上司が同級生が弁護士やってるからとアポを取ってくれました。
私の上司、私の人生になかなか関わって来る人でした。
余談ですが、高校時代の情報処理の先生がS上司の同級生!
さらには私が初めて買った車の営業さんがS上司の同級生!!
そして、父がS上司のお姉さんと一時期同僚でした…
私がS上司の下で働くことは必然だったのかな?と思います。
話がそれましたが、弁護士さんからは【自己破産】などのお話が出ました。
自己破産って、重いですよね。
私は父の会社の顧問税理士さんにも相談しましたが、その時「私が1番信頼している不動産屋がいる」と、初老の不動産屋さんを紹介してくれました。
その不動産屋さんにお願いして、自宅を任意売却することにしたのです…
父が倒れてこの世の絶望を味わったかに思われましたが、本当の絶望はこれでした!
失語症、認識障害、高次脳機能障害の父に「家を売却する」と伝えなくてはならない。
病院の廊下で、父と母、私と弟でこのことを話した日も本当に辛かったです。
話しても理解が出来ない父に、一つ一つ説明して、ようやく状況が飲み込めた様子の父は涙を流していました…
母も弟も、私も涙を流しました。
家を任意売却するまでは住宅ローンを払わなくてはならないし、時間がありませんでした…
広告を出してから数ヶ月後、買い手が着いたのです。
そして我が家の現状を正直にお話したところ、引っ越しは私たちの都合に任せるとおっしゃってくださいました!
これにより父は退院して数日ではありましたが、自分の家に再び住むことが出来たのです…
色んな縁と出会いが私たち家族を救ってくれました!
家を売却し、行き場のない私たちを救ってくれたのは妹の夫のご両親です!
アパート経営をされていたのですが、空き部屋を押さえておいてくださり、私たちにしばらくそこに住むよう提供してくださいました!
おかげで、公営住宅に入れる日までお世話になることとなったのです。
今思うと、手を差し伸べてくれる人がいたこと…
私の人生、いや、父の人生はツイていたと思うのです。
あの日、異変に気づかず仕事へ送り出していたら…父の人生はあの日で終わりました!
でも、異変に気づいたことで父は生きることが出来て、私は父のため母のために踏ん張れました。
あの日があるから、今の私がいる…
紛れもなく、それが真実です!