ギリシャ神話最高の神ゼウス。
その妻ヘラの英名ジューノにちなみ、6月の花嫁はしあわせになると言われています。
『The Rabbits’ Wedding』 作・絵 Garth Williams
くろいうさぎとしろいうさぎは大の仲良しです。
でも、最近くろいうさぎがふさぎ込みがちなことが、しろいうさぎの気がかり。
訳を尋ねてみると、答えは思いがけないものでした。
初めて愛を確かめ合う瞬間の、息が詰まるほどまばゆい喜びが、何度読み返してもページからこぼれ落ちます。
おさえた色づかいが逆に、2ひきの思いをくっきり縁どるせいでしょう。
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『Penguin Pete and Pat』 作・絵 Marcus Pfister
ペンギンのピートが、3週間にも及ぶ冒険旅行を終えて帰ってくると、仲間の大歓迎の中に青いくちばしの女の子ペンギンがいました。
彼女の名はパット。
毎日一緒に過ごすうちすっかりパットを気に入ったピートは、勇気を出して結婚を申し込みます。
…ペンギンのプロポーズって、ヒレを使ってするんですって。
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『Brown Bear’s Wedding』 作 Martine Beck 絵 Marie H. Henry 訳 Jennifer Taylor
雪の降り積もる山の中で、茶色いくまは白いくまに出会い、彼女を愛し、愛され、やがて結婚します。
ただそれだけの、誰もが通り抜けるお話ですが、おそらく誰もに許された、この世でいちばんしあわせな出来事。
大切な方と寄りそって、ご一緒に開いてみて下さい。
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こちらは1998年6月に、いつものリーフレットに掲載されたレビューです。
再録に当たり一部加筆修正しました。
6月号だったので、ジューン・ブライドにちなんで「結婚」というテーマが選ばれたのでしょう。
一作目は名作『しろいうさぎとくろいうさぎ』の原作です。
英語のタイトルはネタバレもいいところですね。
二作目の作者は、『にじいろのさかな』でおなじみのマーカス・フィスターさん。
来日の折お目にかかりましたが、とても背の高い柔和な印象の方でした。
サインしていただいた本は、今も大切に持っています。
「にじうお」の丁寧なイラスト付きです。
三作目は、私事で恐縮ですが、初めて買った洋書の絵本です。
社員割引で四割引だったかな?
クマのお嬢さんにひと目ぼれしたんです。
三十年くらい前のことですね、懐かしい。
ちなみにこの本は原作がフランス語のようです。
奥付には、パリのレコール・ド・ロワジール(l'ecole des loisirs)社から出版されたとあります。
僕が持ってるのはロンドンのHamish Hamilton社から出ている英語版のハードカバー。
Hamish Hamilton社は、レイモンド・ブリッグスの『ゆきだるま』の原作(『The Snowman』)などで有名な出版社ですね。
訳書の情報は以下の通りとなります。
『Brown Bear's Wedding』の訳書は、見つかりませんでした。
ご存じの方がいらっしゃいましたら、ご教示下さい。