セリエA第27節 サンプドリア-インテル
2月20日の第26節カリアリ戦 のレポートでも触れたように、不動の右サイドバックであるマイコンが警告の累積によって出場停止となった今節。インテルは以下のような布陣で臨みました。
ジュリオ・セーザル
長友 ルッシオ ラノッキア キブ
サネッティ スタンコビッチ カルジャ
スナイデル
パッツィーニ エトー
長友にとっては今後のレギュラー争いを考えれば左のキブと同時に出場したこの試合で「違い」を見せられればよかったのですが、その出来は”普通”でした。ガゼッタ・デロ・スポルトなら5・5点か、いいとこ6・0点。「守備で奮闘も、攻撃では味方と噛み合わず空回り」といった寸評が付きそう。
試合はワントップのマッカローネを一人前線に残して全員で守り、ボールを奪ったらまずマッカローネ目がけてロングボールを入れ、中盤の選手2・3人でサポートするカウンター攻撃一辺倒なサンプドリアを相手に手こずるインテルという様相に終始しました。
ミッドウィークのCLに出場した選手は重そうにも見えましたが、体が温まってくると選手たちのキレが戻ってきました。特にラノッキアのディフェンスは秀逸で、曲者マッカローネ相手に1対1、球際の競り合い、ヘディングと全てにおいて完勝でした。そしていつもより少し下がり目でプレーしたスタンコビッチはカンビアッソ欠場を感じさせないプレーで守り、攻撃を操っていたのも印象的でした。
そんな中長友は対面のウイングバックであるスイス代表ツィークラーを前半はほぼディフェンスラインにくぎ付けにします。3バックシステムを採用したサンプドリアは、ディフェンス時には5バック気味になるのです。何度か1対1で勝負を仕掛け、コーナーキックを取ったりはしましたが、クロスはことごとく味方に合わず。サネッティやカルジャ、スナイデルから出てくる外を回る想定のパスと、やや内側を意識した長友の走りがなかなか合わず、ボールが流れてしまったりトラップをしくじって奪われたり。
マイコンのプレーをイメージしていたのかも知れません。マイコンはあまり大外を回ってパスを受けるシーンは多くありませんから。むしろ足元で受けて勝負を仕掛けるか、味方との連携で気の利いたパス交換をすることが多いのです。とは言え決して長友の出来は悪くありませんでした。相手にとって十分に驚異だったからこそ対面の選手をくぎ付けにした訳ですから。
ディフェンス面では1対1でも全く引けを取らないし、スピード勝負、ヘディングでも十分にいい仕事をしていました。ただ、どうしても気になるポイントが一つ。
それはルッシオのカバーリングです。この試合サンプドリア陣内に押し込んでいる時間が多かったわけですが、先ほど触れたように時々マッカローネを中心としたカウンターにさらされる場面がありました。マッカローネがラノッキアと対峙している時はいいのですが、ルッシオが競っている時は勝ったり負けたりでした。ラノッキアが攻め上がって不在の時、最終ラインでルッシオとマッカローネが1対1になる場面が何回かありましたが、長友はそばにいながらルッシオのカバーをするポジションへ帰ろうとしないのです。
相手の前線の選手と味方の最終ラインが1対1にならないようにするのが守備の基本です。サイドバックが1対1になれば中盤かセンターバックがその後ろをカバーし、センターバックが1対1になれば、サイドバックかもう一人のセンターバックがカバーに入る。
確かにルッシオが相手FWに競り負けて裏を取られたり、入れ替わられたりといった危険な場面には発展しませんでしたが、ポジショニングを常に意識して体に染み込ませていなければ、イザという時に自然に体が動いてくれない。普段の左サイドと今日とでは見える景色が違ったのでしょうが、そこは基本のキです。あ、もしかしたら、カバーに入ろうとしたらルッシオに「カバーは必要ないから開いてパスを受けるポジションを取ってくれ」という指示があったのかも知れませんので一概に言えませんが。
とにかくこれで右も左も問題なくこなせるユーティリティをしっかりアピールした長友。言ってもまだ加入して1カ月。自分の特徴を出し、味方の特徴を引き出すのはこれからです。リーグ戦だけでなくCLやコッパイタリア決勝など5月の終わりまで気の抜けない試合が続きます。今後ますますタフな長友が加入した意味は大きくなっていくでしょう。
結果は後半28分、スナイデルのフリーキックが見事に決まり、終了間際にエトーが個人技で叩きこんで0-2としたインテルが危なげなく勝利したのでした。
しかしホントに眠い…。
サッカー日本代表

