【公益社団・財団法人】寄付金税制4~内閣府実態調査より | 【公益法人・NPO法人・社会福祉法人】非営利会計ナレッジ

【公益法人・NPO法人・社会福祉法人】非営利会計ナレッジ

非営利会計専門業務経験8年、研究も行う公認会計士内野恵美が、急速に変わりつつある非営利会計について気づきをシェアするブログです。

こんにちは。
公認会計士の内野恵美です。

 おそらく1回お休みしますといって、結局2週間休んでしまいました。
ちょっと原稿等で難航しておりました。

 さて特例民法法人の移行期間も終わりましたが、内閣府の公益認定等委員会のサイトも、とくに今年に入ってからはいろいろなアンケート調査結果や勧告などのお知らせ(「内閣府からの重要なお知らせ」)が増えてきました。
 
 公益認定等委員会も、従来の社団法人や財団法人の移行対応からかなり手が離れて(もちろん期日間際に申請した特例民放法人への対応も大変かと思いますが)、本来的な活動に入ってきたようにも思います。

 今回は、その中で11月29日に公表された
「公益社団法人及び公益財団法人の寄附金収入に関する実態調査」

について、直近のテーマとのつながりから、簡単にご紹介したいと思います。
本文は上記のリンクにあります。
 要旨は次のとおりです。

◆調査の目的
 公益社団法人及び公益財団法人の寄附金収入に関し、税制上の措置の影響等の実態を把握すること

◆対象法人
 公益社団法人及び公益財団法人 8,515法人
 回答法人数 3,987法人(回答法人数の46.8%)

◆要旨
・既に税額控除対象法人の証明を受けている法人は341法人(同8.6%)。
・税額控除対象ではない3,646法人のうち、PST要件を満たしていると回答した法人は230法人(同5.8%)。このうち43.5%に当たる100法人が税額控除の適用を希望。
・既に税額控除対象法人とPST要件を満たしている税額控除対象でない法人を合計すると回答法人の14.4%に当たる計571法人。
・PST要件を満たさないと回答した3,416法人のうち、8.3%に当たる284法人がPST要件は満たさないものの税額控除の適用を希望。


 このような調査・公表からしても、認定等委員会サイドでは、税額控除制度を公益社団・財団法人にももっと普及させたいということなんでしょう。

 一方、同じ調査において総収入に対する寄付金収入の割合が1.68%(平成24年度)となっているところから、現状の公益社団・財団法人の収支構造は寄付金への財源依存度が低く、ましては個人の寄付金となるともっと低い状態にあることから税額控除の必要性を感じられない場合もあるでしょう。

また、仮に

 "今後は個人の寄付金も財源として考えていきたいので、税額控除を申請したい"

といったときには、PSTは実績ベースで充足することが必要なため、一定期間(5年)の寄附の実績が必要となります。
 最初は税額控除の対象になることをアピールして寄付金を集めることはできない状態で(所得控除のメリットはあります)PSTの要件を充足するだけの寄付金を集めなくてはなりません。

 このようなファンドレイジングの安定した仕組みを作り上げていくことが、新規に申請sするにあたっての一番の課題になると考えられます。

 ここまでお読みくださってありがとうございます。


(下記クリックもよろしくお願いいたします)


にほんブログ村