今回とりあげるキーワード・言葉は「グローカル」

 

 

●グローカルとは?

 

グローカル(Glocal)とは、グローバル(Global:地球規模の、世界規模の)という言葉とローカル(Local:地方の、地域的な)という言葉を掛け合わせた造語である。その意味するところは、「地球規模の視野で物を考えつつ、必要に応じて地域視点で行動する(Think globally, act locally)こと」である。

 

1980年代に、グローバル化とローカル化を同時並行的に進めて、現地化する必要に迫られた日本企業の海外戦略の理念・ポリシーとして発祥し、現在では世界的に、政治、経済をはじめ環境問題、地域開発、といったあらゆる分野で使用されている。

 

●グローカル企業とは?

 

「グローバル×ローカル」を実践している企業をグローカル企業と言う。言い換えれば、地域に根ざした世界企業と言える。グローカル企業を標榜している小売業のイオンの場合に「グローバルレベルで通用する経営水準と地域に根ざしたベストローカルの双方を高いレベルで実現する企業」を目指すとしている。

 

「グローカル企業」を具体的に定義すると、主に以下のような企業を言う。

・地域別の特性に合わせて設立した現地法人を有する、国際的に事業を展開する大企業。本社はグローバル戦略と、各国や各地域の言語・文化・法制度などに対応した戦略を併せ持つ。

・大都市ではなく地方に本社を持ちつつ、国際的に事業を展開する地方の中小企業。世界的水準で事業を展開すると同時に、その特徴は地域密着性が高いこと。

 

●グローカル人材とは?

 

「グローカル人材」へのニーズが、分野や業種を問わず高まっている。この人材には、一定水準以上の語学力や優れたコミュニケーション力が求められる。その上で重要なのが、自分の地元はもちろん、日本や世界各地の地域社会がどんな特色を持ち、どのような課題を抱えているのかを、実際に見て、理解することが求められる。

 

この「グローカル人材」育成・推進するために、文科省とJASSOは海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」の一環として、すでに四コース(「理系、複合・融合系人材コース」「新興国コース」「世界トップレベル大学等コース」「多様性人材コース」)を設置。

 

それに加え、15年度から新たに「地域人材コース」を創設。新設のこのコースは、地域が主体となって事業を運営する仕組みで、単なる留学プログラムだけで終わらず、海外での実践的な留学と国内の地域企業でのインターンシップを組み合わせたり、「地域企業に就職する者や地域の発展に貢献できる者」を派遣留学生の要件にしたりしている。それにより、各地域の活性化に資するグローカル人材の育成を図ろうとしている。

 

徳島県の「徳島県地域グローカル人材育成事業」、新潟県長岡市の「米百俵の精神を受け継ぐ長岡グローカル人材育成事業」をはじめとして、15地域の海外留学事業が「地域人材コース」に採択されている。

 

●グローカルデザインとは?

 

国際情報化社会のコミュニケーションを支えるデザインを考える場合、キーワードが3つある。第1が「グローカル」、第2が「PI」、第3が「インターセクト」。

 

第1のキーワード「グローカル」は、Think  Global  Act Local<グローバルな視点に立ちつつ、ローカルなマーケットに合わせて行動する>」、という考え方。第二のキーワード「PI」とは、パーソナル・アイデンティティの略で「人の顔が見えるコミュニケーション展開」。第三のキーワード「インターセクト」とは、「優れた個性の人々が融合することで心の交信まで深められた、人と人との交流のあり方」

 

B(ブランド)Iコミュニケーションは、BIデザインを中心にしたイメージ発信によって、ターゲットとする人々の目を引き、人々の心の中のイメージ蓄積し、蓄積されたイメージから好感、好意の形成。そして最終的には、作り手と買い手との双方向な交信が始まる。

 

BIデザインは、豊かなブランド価値を生み出している。具体的企業で言えば、ルイ・ヴィトン、ソニー、ベンツ、トヨタ、などブランドパワー満点の「売れるデザイン」になっている。インターネットで世界中の人々が選んで購入する時代と言える。

 

●参考サイト

 

グローカル・グローカル企業(JMR生活総合研究所)

NPO法人グローカル人材開発センター

グローカル人材(日本の人事部)

グローカルインターセクトが、新しいデザインの可能性を拓く(Geocities)

 

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