こんにちは。来年のカレンダーの予約がはじまっていてびっくらこいた麦野です。もはや時の流れの速さに恐怖すら感じる…。
とか言いつつ、大好きな心のバイブルのカレンダーをしっかりと予約しました└( ゚∀゚)┘届くのが楽しみです。

さて、今回は。

市川けいさんの「ナチュラチュラリィ」

単行本も出ていますが、私自身はリブレから2015年に発行された「女子BL」というアンソロジーで読ませていただいていました。

※以下、ネタバレ含みます…ネタバレしかありません!




以前も書きましたが、女性ががっつり絡んでくるBLが好きなわたくし麦野。
そんな私のツボにクリティカルヒット!したのが、こちらのお話でした。
主人公の女の子と、双子の兄。その兄に告白してきた先輩(男)の物語です。

この双子の兄妹は、すごくすごく仲がいい…ううん、仲がいいなんていう言葉が陳腐に聞こえてしまうほどの距離感で、ずっとずっと「いっしょ」だった。
そこに現れた、自分たちの関係「ふたりでいるのが自然」だと言ってくれる人。
嘘がつけない、自分のずるさを素直に謝ることのできる人。
ふたりでいることが「当たり前だと思っていた」世界で、少しずつ、少しずつ、その先輩の存在が色を濃くしていく。


花愛と顕、ふたりはほんとうに、ほんとうにずっと「いっしょ」だったんですよね。
それがずっと続くと思っていた。一緒にいられると思っていた。
いっしょ、だったんですよ。好きなものも、嫌いなものも。
そのことが、読み進めていくうちにどんどん辛くなっていきます。

だって「いっしょ」だから。
嫌いなものもいっしょだった、…好きなものも、いっしょだった。でも。


このお話はBLなので。
花愛ちゃんが報われることはありません。
そしておそらく、この先輩、花愛ちゃんの気持ちに気がついていたんじゃないかなあ…と思いました、私は。

だとしたら!

「俺には顕くんが一番なんだ」「ごめんね」

という台詞のあとに、花愛ちゃんの頭を腕で後ろからそっと抱えるようにしたあと、ぽんぽん、として立ち去る。


…これ!これ!!これずるくないですかね?!?!辛くないですか!!!
ここで!頭をぽんぽん、ですよ!!!むきゃー!!!(乱心)

そのシーンのあとの花愛ちゃんの泣き顔が、もうぐっしゃぐしゃで辛いのです。

「一番じゃないなら構うな 優しくするな バカ バカ」

というモノローグも、こころが苦しいのです。

双子だからこそわかってしまうところ、兄の変化なんか特に。もあるんじゃないかなあ、と考え、気がつきゃ泣いておりました。涙腺ゆるゆる。



そしてラストシーン、花愛ちゃんの後ろ姿で終わっていることが、いろいろな感情なんかを含ませているようで、考えさせられて、とても満足感が強い、すてきなお話でした。