小学校の友達M君が作っていた家の模型に込められた夢

 

60年位前…昭和40年頃、私は小学校高学年。

当時の私は近所によくいる野球少年で、ほとんど外で遊んでいましたが、クラスに心臓病であまり運動をやってはいけないM君という友達がいたのです。

 

彼の病気のことがあるので、あまり一緒に遊ぶことはなかったのですが、何故か気が合いよく話をする仲良しでした。

 

ある日、M君の家に遊びに行く機会があり、彼の部屋で驚くべきものを見たのです。

 

それは30cm四方位の「庭のある家の模型」でした。

 

「これ誰が作ったの?」

「僕」

「え?スゴっ!これ全部一人で作ったの?」

「うん」 

と、それを聞いて欲しかったという嬉しそうな表情の彼を今も覚えています。

 

その気持ちはよくわかるってほど、その模型の完成度は凄かったんです。

 

私は運動ばかりしていましたが、工作が得意な父の影響で、小遣いを貯めて買ったプラモデルの戦闘機を作ったりしたことはありました。中途半端な出来でした、笑。

 

でもM君の模型は違う!これは次元が違う!こんなの何処にも売ってない!

 

「いつか家族で、こんな庭のある家に住みたいなと思って作ってみたんだ。」

 

確かにM君家族が住んでいた家は、当時トレンディ?だった団地だったので、庭がありませんでした。

 

いやそれにしても…

 

  畳も襖も障子も全部自分で作ってた!

 

「ちょっと触ってもいい?」

「いいよ。屋根を持ち上げると中が見えるよ!」

 

M君の模型の家は平屋でした。

今思うと、二階建ては技術的に小学生には難しかったのかも知れません。

 

せっかくのM君の労作を壊さないように、両手でそ~っと屋根を持ち上げてみて、また驚きました!

 

畳も襖(ふすま)も障子もちゃんとあるではないですか!

 

「指で動かせば、襖と障子は開けたり閉めたり出来るよ」

ちょっとやってみると

「うわっ、ホントに開いた!」

 

私はもう夢中でその模型を見たり、M君の許可を得て触ったりしました。

各部屋の中にはタンスやホーム炬燵やテレビ、ペットの猫までいました。

 

庭もそれなりに、小学生の私には本物っぽく見えました。

 

「M君、これスゴイよ!ほんとにスゴイ!僕にも出来るかなぁ?」

「作ってみたいの?」

「うん、作ってみたい。お金は?材料代とか…」

「お金はそんなにかからないよ。ほとんど画用紙やボール紙、普通の絵の具と接着剤、窓とかは何かが入ってたセルロイドを切って使ったり、木はほとんど割り箸やつまようじを切ったり削ったりして作ってるから。」

 

小学4年生の私にとって、この日は入学以来のカルチャーショックで、翌日から仲良し+尊敬と憧れの対象になったM君との忘れらない思い出です。

 

 

  そして今…

 

M君は、当時多かった越境入学組で中学は地元に進学したので、小学校卒業までの親友で終わってしまいましたが今でも時々彼のことは思い出します。

 

私はというと、10年程前に心臓の大動脈弁が石灰化して身体に送り出した血が逆流してしまうという病気になり、弁を牛の弁を使った人工弁に付け替えるという手術をしました。

 

その時も、心臓病だったM君のことをよく思い出し、小学生なのに辛かっただろうなあと思いました。

 

M君と仲の良かった私が50年後に心臓病になるなんて、何だか妙な巡り合わせを感じました。

 

仕事を減らした今、

人生の楽しみ追求と、この先、妻に迷惑をかけない為の認知症予防を目的として、YouTube活動に取り組んでいます。

 

1つ目は、パワーポイント動画の作り方などのチュートリアル動画中心のチャンネルです。まだまだですがあと少しでチャンネル登録してくださった方が1000人というところで楽しみながら頑張っています。

 

2つ目は2024年2月25日に開設したばかりの「ジオラマ製作動画」のチャンネルです。

M君との思い出が原体験にあり、こちらも世界の凄い人達に学びながらオリジナリティのある作品作りを目指していこうと思っています。

 

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