そのサイトで始めて出会ったのはひかりちゃん(仮名)という子。3つ上の中学生で、家にも学校にも居場所がないから親が家にいる夜は外で遊んでる、そんな子。


顔はぼやーっとしか覚えていないけど、華奢で可愛くて、明るい。夜遊びしてるだけ、道をそれた子ではあったが、私はひかりちゃんの事が好きだった。


お金なんて全然なかったけど、ご飯食べて、だらだら喋ったりして過ごす夜の時間は特別に感じた。


ひかりちゃんは煙草を吸う子で、「yukiも吸ってみる?」

なんて誘われて吸ってみたんだっけ。


持ち方も分からず吸って噎せて、「え、まずい!」って返してそれっきり。ゲラゲラ笑うひかりちゃんが私には輝いてみえて、大好きだったな。


毎日のように一緒に過ごしてたある日、2人組にナンパされる。ひかりちゃんが慣れたように会話する。


奢ってくれるからご飯ついて行こう、そう促され車に乗った。

どうなるのか少し怖い気持ちもあったけど、3人がふざけて騒いでいたから、不安や緊張もすぐなくなった。


ご飯のあと、片方の男性が「ホテル行こう」って。


どこでそんな流れを知っていたのか、知識をいれたのか覚えていないけど、「やっぱりそうなるんだ」って思った記憶がある。それと同時に、「まぁいっか」って。


小5の私。もちろん、経験なんてない。

だけど、あまり恐怖も感じずについていった。


きっと、ひかりちゃんがいたからだろう。その場の楽しい空気を壊したくないって気持ちもあったかもしれない。


ホテルに行こうと言い出した男性とひかりちゃんは

別部屋に入っていった。


私の相手だった男性、ホテルに入ってすぐに私を抱き締めた。

「正直さぁ、yukiちゃんかわいーししたいよ。けどまだ小学生だよね?ナンパした俺が言うのもなんだけどさ、大事にした方がいいよ。」


「あいつらには適当に言っとくから、テレビ見て過ごそうよ。」そういって笑った。


この男性に言われた言葉、その時の自分の感情、

不思議とハッキリと覚えている。


しなくていーのか、とホッとした気持ち、ひかりちゃんと違って私は幼いからそういう気分にならないの?さすがに小学生は面倒くさいと思った?とショックを受けた気持ち。


大事にする?誰にも大事にしてもらえない私なんかを?私が?意味分かんない。そんな怒りのような気持ちが入り交じって、複雑な思いのまま時間を過ごした。


ホテルを出たあと、最寄りの駅まで送ってくれた二人。

ひかりちゃんとも解散して、家に向かって歩く。


一歩間違えれば、殺されてたかもしれない。大事にしな、なんて言われず、無理矢理されていたかもしれない。


この穏やかで静かな明け方が、

奇跡に近いことだなんて考えられなかった。

ただ一つ。部屋に入ってすぐ抱き締められた時。

暖かくて、心地よかった。存在を認めてもらったような。


誰でもいいから、もう一度、抱き締めてほしいと思ってしまった。