びわ湖毎日マラソンが来年の大会後に、大阪マラソンと統合されることが発表されました。
びわ湖毎日マラソンは戦後間もない1946年より開催されており、福岡国際マラソンと並び、世界大会の選考にも指定されている伝統のある大会です。
かつてはアメリカ同様日本でも、マラソンオリンピック代表は事実上の一発勝負の時代があり、びわ湖毎日マラソンがその最終選考レースとなっていました。
前回1964年の東京、1972年のミュンヘン、1976年のモントリオール大会では、1位から3位の選手がそのまま代表となっています。
その後は選考方法が変わり、12月に行われる福岡国際マラソンが事実上の指定レースとなります。1988年のロサンゼルスオリンピックの選考レースで瀬古利彦選手がこの大会を欠場し、びわ湖毎日マラソンで2:12:41優勝し代表となりましたが、福岡で日本人3位となった工藤一良選手より記録が悪く、瀬古救済の批判がマスコミで大きく取り上げられました。
その後のオリンピックマラソン代表選考でも、問題視されることが何度かありましたが、今回の東京オリンピックの選考方法はわかりやすくなったといえます。
当事者となり批判を浴びた瀬古利彦さんが中心になって進められましたが、本人の苦い記憶が根底にあったのではないでしょうか。
今回の統合の理由について、現在はトップ選手と市民ランナーが一緒に走る大規模大会が世界的に主流となっており、統合は時代の流れというのが一番大きいと思われます。
東京マラソンとも開催時期が近く、トップ選手がなかなか集まらないということも理由のようです。
東京マラソンはスタートから5キロ過ぎまでは完全な下りで、公認記録として認められる高低差42メートル以内に対して35メートル程度となります。残りのコースもほぼフラットで、記録が非常に出やすいコースといえます。
びわ湖毎日マラソンは3月の開催で気温、雨天、風の影響を受けやすく、記録が出にくいということもいわれています。
この点については、自身も多少疑問に思ったので、福岡国際マラソンと比較をして調べてみました。
福岡国際マラソン記録
びわ湖毎日マラソン記録
※2002年の武井隆次さん以降、日本人の優勝者が出ていません
ここ10年の1位の選手の平均の記録は福岡は2時間7分29秒で、びわ湖の2時間8分10秒より40秒ほど早く、日本人トップは福岡は1位の選手より約1分遅れの2時間8分31秒、びわ湖は2時間9分39秒と1分30秒ほど遅い記録となっています。
びわ湖の日本人トップの記録の差が大きいのは、トップ選手の出場が少ないことが影響していると考えています。
過去30年の記録を見ても福岡とびわ湖のトップ選手の記録差は1分ほどですので、記録が出にくいとはいい切れないと思います。
天候に関してはここ10年で雨天が多くなっていますが、気温はスタート時刻では10度を少し超える程度で、天気も晴れの日は少ないので、風の影響を除けばコンデション的には悪くないのではないでしょうか。
来年の東京マラソンが10月の開催となった影響でしょうか?今年の大会は、2月28日に開催されます。今回が最後となるびわ湖毎日マラソンには、すでに東京オリンピック代表に内定している中村匠吾選手が出場を表明していますが、例年よりも多くの日本人トップランナーが出場する可能性があります。
思わぬ好記録ができるかもしれません?