二軸走法について、最近はあまり話が出ませんが、十数年前にはかなり話題になり、末續慎吾選手の活躍により、ナンバ走りとともに注目されました。

 

末続慎吾選手については、東海大学在学中に、400mの日本記録保持者である高野進さんの指導を受けたことにより、記録を大きく伸ばし、卒業の翌年の世界陸上で銅メダルを獲得しています。

 

 

 

トレーニングの中で取り組んだのが、二軸走法になります。

2007年には、『高野進流 日本人のための二軸走法』が発刊されています。すでに廃刊になっていますが、中古本としては購入可能です。

私も最近購入しましたが、DVDも付属しており、具体的なトレーニング内容も分かりやすく参考になります。

 

 

 

 

本の中では、西洋人の走りとの違いが強調されています。結論的には、日本人に合った走りがあるということになります。

 

この本の中の『二軸走法の身体感覚』での解説の主な見出しは下記のとおりです。

 

・日本の走りを追求した二軸走法ポイントは左右の軸と踏み込み操作

・大切なのは左右の軸を保つこと。ナンバ歩きから二軸走法へ

・自然に足を前に出す重心移動。下り坂を転げるようなイメージで

・イメージは四本足動物の動き。腕の振りは、肩甲骨からの四肢同調を意識

 

一昨日に投稿した、東大式ウォーキングとも共通しますが、着地した足に体重を乗せることが重要です。ナンバ歩きについても、同様だと思います。

 

 

 

また、末續選手のインタビューの見出しにはこのように書かれています。

 

・理論は大事だけど、それがすべてではない

・強くなるためには自主性が必要 一緒に試行錯誤し、成熟させてきた

・体をねじらなくなったこと。コンパクトでシャープな走り方になった

・効率良く走れているときは、力感はかじないもの。「蹴る」という意識はない

 

これらの言葉は、走りをとことん追求した結果として出てきたように思います。

『理論は大事だけど、それがすべてではない』 は、私自身も痛切に感じていることです。

うんちくを垂れることはできても、自分の体で説明することがいかに難しいか、私自身の課題でもあります。

 

残念ですが、この本が出版された翌年に、末續選手は引退(結果的には一時的ですが)しています。

 

二軸の考え方については、トライアスロンではかなり早い時期から、トレーニングに取り入れているチームがありました。

 

 

 

 

私自身もトライアスロンの情報誌で,二軸理論を知りました。ただ、当時は何のことを言っているのか、正直わかりませんでした。

 

子どもたちの指導を始めるようになって感じることですが、人間は元々二軸の動きをしているのではないかということです。少年団でも、低学年の子どもたちは、自然に走らせれば、ほぼ二軸の走りをしています。

 

ただ、小学校の運動会の徒競走を見ていると、体がクロスし、足が流れる走りをしている子が少なからずいます。おそらく、生活習慣や、運動活動の中で、そのような動きに変わってしまったのではないかと思います。

 

少年団の指導の中で、フォームについて気を付けていることは、とにかくあれこれ言わず、自然に任せるということです。

 

フォームづくりについての私の考えは、ストレッチ、ドリルでの動きをそのまま走りにつなげることです。そのためには、人間(動物)が本来持っている動きを、いかに再現するかということになります。

 

キーワードは、体は動かすのではなく、自然に動くということです!