先日、ほたるの病院でのこと。



いつものように、おとなしく自分の名前が
呼ばれるのを待っていた、ほたる。



少し離れた待ち合い席から、
50代くらいのご夫婦と思われるお二人の
話し声。



「あれはなんだ?」

「なに犬だ?」

「ハスキーか?」

「ハスキーっぽいね」

「ハスキーだな」



大きな声で聞こえるように、ほたるのことを話す。





たまらず


「秋田犬なんです」


と答えた私。





「秋田だってよ」


「秋田犬っぽくないな」


「秋田犬じゃねぇんじゃないか」





これまた私に聞こえるように大きい声。




(うーん、、、毛がね、、、ちょっと薄くなっちゃっているからね)







そこへ、嘘のような本当の話。



立派な虎毛の秋田犬が病院へ。




若そう。

まだまだやんちゃざかり。

お父さんの言うこと聞かず、お父さんに
叱られてばかり(笑)






先程の50代くらいのご夫婦と思われるお二人。



若い秋田犬ちゃんを見て

「あれは秋田犬だろ」

「あれこそが本物の秋田犬だな」



そして、若い秋田犬ちゃんとほたるを
ジロジロと見比べる。





私たちのほうに向かって


「何歳になるんだ?」


との問い。





保護センターからの話をする。


推定年齢です。




「なんだ、じゃあ血統書がないのか」


「そっちの秋田犬は血統書あるんだろ?」


「やっぱりな」


「そっちは血統書がないのか」


「血統書がないんだってよ」


「血統書がないのかっ」



大きい声で続く。




(そろそろやめてもらえませんか)


(ほたるが不安がるから)


(このコ、わかりますから。人の話していることが)





心配で、ほたるを見る。


ジーッと動かず、耳を立てて、
緊張しているのがわかる。



時々、チラッと私の顔を見て、
心配そうな顔をしている。




自分が不安で心配なのではないことが伝わってくる。



お母さん、ほたるのこと何か言われている?

ほたるのことで辛い目にあっている?




大丈夫。大丈夫。

こわくないから。


お母さんも大丈夫だから。



ほたる、なーんにも悪くないからね。


耳元で声をかける。





涙がこぼれ落ちそうになる。


グッと堪える。


泣いたら認めることになってしまいそうだったから。




血を繋ぐこと、、、大事なこともわかっています。
だけど、その裏で犠牲になっているコたち
が沢山いることも知ってください。


確かに、ほたるは秋田犬ではないかも
しれません。

(秋田犬、と最初に言ってしまった私が
悪いのかもしれません)



でも、血統書がないことで、ほたる自身を
否定するような言い方はしないでくださいね。


お願いします。





夜、ほたるパパに病院での出来事を話す。



私が泣きながら話しているのを
うん、うん、と静かに話を聞いたあと


「でもさ、ほたるが一番かわいいんだから、それでいいんじゃない?」



うん。そうだね。

なにを言われても、ほたるはほたるで、
私たちにとって、一番大切なコだから。


エリ姉も含めて。




ほたる、出張のお土産に
「ほたる用に、、、」ってお芋チップスを
買ってくれたお父さん、大好きーっ。


ほたるだけだと食べ過ぎだからね。
お母さんと半分こね、なんて言って、
ほたるのお芋チップス取られちゃったけど、
お母さんのことも大好きーっ。






ブレブレ~。








ちょっと救われたこと。



若い秋田犬ちゃんの飼い主さんが、

「おとなしくて、とってもおりこうさん」

とほたるのことを言ってくださったことです。



ありがとうございます。