家計支出を減らす方法のひとつは、
加入中の保険を見直すことです。

筆者のFP業務で保険を見直すときに、

相談者のなかには、
見直す保険商品の内容を知らないまま、
保険料を支払っていることもあります。

やはり必要以上の保障の保険に加入して、
必要以上の保険料を支払うことは、
家計にとっても無駄です。

そこで今回は、
このような無駄な支出をなくすためにも、

親から子どもに伝えておきたい、
学校では教えてくれない、

保険の加入方法を、
生命保険と医療保険を例に
お話ししてまいります。

お伝えする内容は次のとおりです。

・保障と貯蓄を兼ね備えた金融商品
・必要保障額はいくら
・ありのままに健康告知
・民間の保険に加入する理由

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保障と貯蓄を兼ね備えた金融商品
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保険商品は、銀行預貯金や株式、投資信託
と同様、金融商品のひとつです。

しかも、貯蓄と保障を兼ね備えています。

ただ、現在貯蓄の部分は、
銀行で預金をするように、
お金を増やす機能はほとんどありません。

ただし、変額保険といわれる、
貯蓄の部分を特別勘定※の運用実績によって、
※ここでは、国内外の株式や公社債などを
中心とした投資信託と考えてよい。

満期保険金額や解約返戻金といった
貯蓄の部分が変動する保険もあります。

この変額保険や外貨建ての保険は、
保険会社が定める、
所定の高度障害状態に該当した場合や
死亡時に受け取る基本保険金額は
最低保証されています。

しかし貯蓄の部分での元本の保証は、
ありません。

また、死亡保険や医療保険でも、
貯蓄の部分を兼ね備えた保険と、

保障のみで貯蓄の部分はない、
いわゆる「掛捨て」の
保険商品もあります。

保険会社に支払う保険料は、
同じ保障内容なら、
「掛捨て」の方が安価です。

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必要保障額はいくら
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次に、保険に加入するとき、
死亡保険なら、
万が一、死亡した時に、
保険金がいくら必要なのか?

また、医療保険なら、
入院給付金がいくら必要なのか?

その人に必要保障額以上には、
加入しないことです。

また、この必要保障額は、
自分や家族の成長とともに変わります。

この金額を知る目安として、

私たちは、20歳以上60歳までは、
国民年金保険に加入します。
同時に国民健康保険には生涯加入します。

また、会社や官公庁に勤めるときは、
勤務中は、最大70歳まで厚生年金保険に、
また健康保険にも加入して、
勤めを辞めれば国民健康保険に加入します。

健康保険に加入しているため、
風邪をひいたときなど、
病院で診察を受けたときの医療費は、
その時処方された薬を含めて、
自己負担額は3割です。

高齢になるほど、
所得によっては、2割1割の
負担になる方もみえます。

このことは、
65歳以降は、第1号被保険者となり、
介護認定を受けて、
介護費用の1割を自己負担する、
介護保険料にも言えます。

公的な健康保険では、
入院した時に「高額療養費制度」で、
所得によって、1ヵ月の自己負担額の上限が
定められています。

また、年金制度では、
死亡した方に生計を維持されていた、
「子のある配偶者」に、
子どもが18歳高校を卒業するまで、
遺族基礎年金を、配偶者が受取れます。

また、遺族厚生年金や中高齢寡婦加算といった
制度もあります。

障がいになった時も、
障害厚生年金、障害基礎年金が、
その障がいの程度により受給できます。

従って、民間の死亡保険や医療保険は、

このような公的な保険制度を補うために、
必要な金額分、加入すればいいのです。

最近は、この必要保障額を、
計算してくれる保険会社もあるようです。

しかし、保険に加入するのであれば、
必要保障額は、
あくまで自身で計算して
保険会社と保険商品を決めることが
大切です。

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ありのままに健康告知
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また、加入する保険商品が決まると、
通常は、手続きの中で、
保険会社が求められます。

所定の健康告知の質問にありのまま、
回答すればいいのです。

ただし、告知の回答によって、
加入ができなこともあります。

その時は、無理に保険商品に
加入することなく、
別の対策を考えればいいのです。

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民間の保険に加入する理由
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このように民間の保険は、

公的な保障を足りない部分を
補うために加入します。

勤め先の福利厚生などに、
入院費用を補助したり、
死亡退職金の制度があるところもあります。

従って、このような理由から
親は子どもに、

必ずしも保険に加入することはない。

また、加入するなら、必要な保障額だけ、
加入すること。

この2点は、伝えておくことが大切です。

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◆    今週のポイント
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入院して給付金が支給されたとき、

ただよかったではなく、

給付金を受け取るまで、

その保険にいくら投資したかも、

計算することが大切です! 

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◆ 編集後記
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保険を見直すとき、

(1)家族の成長とともに予定通り、
保障の減額や解約をするとき

(2)内容を理解しないまま加入して
不要な保障とわかったとき

(3)以下省略!?

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第587号)
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