今回は、新聞広告などで目にすることがある
銀行の定期預金金利キャンペーンについて、
実際にどのくらいお得なのか、
シミュレーションしてみます。
お伝えする内容は次のとおりです。
・定期預金キャンペーン金利とは、
・シミュレーションをする商品内容
・シミュレーションを実施
・まとめ
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定期預金キャンペーン金利とは
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銀行の定期預金キャンペーン金利とは、
現在、定期預金の金利は、
上昇傾向にはありますが、
銀行によって、また預入期間によっても、
年利0.002%から1.00%前後と、
さまざまです。
しかし、定期預金金利3.0%とか、
目を疑うような銀行の広告が、
掲載されることがあります。
しかし、広告の中身をよく読むと、
年利3.0%の適用される期間は、
預金を預け入れてから、
3ヵ月とか期間が区切られ、
その後は、その銀行の
通常の定期預金金利が適用されます。
預金の期間中に金利が変わることに、
注意が必要です。
また、このような定期預金と
ほかに、元本保証のない投資信託や
元本保証も為替リスクもない
外貨建て定期預金の商品と、
半分ずつとか一定の割合で、
セットで申込む商品もあります。
これらの商品を申込む金額が、
10万円以上とか100万円以上といった
制約がある場合があります。
従って、このような商品で定期預金を
始めるときは、
その商品内容をよく読んで、
不明なところは、
その銀行によく聞いて納得してから、
預金することが大切です。
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シミュレーションをする商品内容
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そこで、今回は、
A銀行のキャンペーン金利付きの
定期預金と通常の定期預金と、
どのくらい利息が違うのか、
シミュレーションをしてみます。
商品名:金利優遇付き1年定期預金
金利:年利3.0%
(預入時から3ヵ月間の利率
その後は、通常の利息
年利0.01%)
といったシンプルな条件の定期預金に、
100万円預け入れ、
シミュレーションします。
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シミュレーションを実施
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まず、年利3.0%ですので、
100万円を1年間預けた時の利息を
計算します。
100万円×3.0%=3万円
年間の利息は3万円となります。
しかし、この定期預金は
預入時から3ヵ月間だけ、
利息は3.0%ですから、
3万円×92日(3ヵ月を92日とする)
÷365日(閏年は366日)
=7,561円(小数点以下切捨てる)
預入当初3ヵ月間の利息は、
7,561円(①)となります。
さらに残りの9カ月の利息は、
通常の年利率0.01%で、
また1年定期ですからこの間を
複利で運用はしていませんから、
100万円×0.01%×273(365-92日)日÷365日
=75円(②)
残りの9カ月の利息は75円(②)です。
従って、この定期預金を1年間の満期まで
預けると7,561円(①)+75円(②)
=7,636円(③)
7,636円の利息が付きます。
しかし、ここから所得税と住民税合計して、
23.913%、1,825円源泉徴収されますので、
税引き後5,811円の利息と元本100万円、
合計100万5,811円戻ってきます。
なお、1年間利息が通常の0.01%なら、
利息は100円になり税引き後は77円です。
税引き後の利息で比較すると、
5,734円違ってきます。
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まとめ
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確かに、通常に預け入れておくより
約74倍の利息が付きます。
さらに、上記でも触れましたが、
外貨預金や投資信託も運用すれば、
定期預金とは違い、
元本の保証はありませんし、
外貨預金や投資信託でも
ファンドに海外の株や債券が含まれていれば、
為替リスクなども伴います。
また、これらの商品には、
退職金を対象にしたものもあります。
つまり、このような商品は、
定期預金に限っても
ある程度まとまった金額を預けないと
そのメリットは享受できません。
また、定期預金以外は、
商品購入の窓口が銀行であっても、
リスクを伴う商品を購入するということです。
これらを加味して、
お得な商品か判断することが大切です。
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◆ 今週のポイント
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自身にとって有利な金融商品かは、
その家計と相談が必要です!
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◆ 編集後記
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低金利でも
定期預金に預けておくメリットとして
現金で持っているより、
盗難などに遭わないセキュリティの面と
引き出す手間から、
無駄使いを抑える面もありました
しかし、キャッシュレス時代の現在、
後者の面は間もなくなるようです!
人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第575号)
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