私のところによく相談いただく

「お困りごと」、いわば

みなさまの「お困りごと」についての

基本的な解決策を、

4回シリーズでお伝えしています。

 

その3回目の今回のテーマは、

保険に入る本当の理由がいまひとつわからない

です。

 

この記事の構成です。

・家計と保険はつながりがある

・保険商品の特色

・保険加入の目的

・必要な死亡保険金額の計算方法

・自分で保険を探さなくてもいい

 

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家計と保険はつながりがある

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家計支出を見直したく、

現在加入中の保険が適切か見て欲しい。

 

保険に入らないといけない、

と思っているけど、

保険会社によって保険料が違うし、

どんな保険には入ったらいいのか、

教えて欲しい。

といった、相談をいただくことがあります。

 

ほかの相談にみえた方のなかも、

現在の家計を見直す提案の中に、

保険を見直す項目を入れることもあります。

 

このように、家計と保険、

もっと言えば、家計と保険料の負担は、

密接なつながりがあるといえます。

 

また、相談者がぽつりと、

保険に入る本当の理由がいまひとつわからない

言われることもあります。

 

そこで、なぜ保険に加入するのか、

その理由を、家計の負担を含めて、

生命保険を例に考えていきます。

 

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保険商品の特色

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保険商品とは、

貯蓄と保障を兼ね備えた金融商品です。

 

貯蓄の面では、

近年、銀行の預貯金に預けても

利息が、ほとんど付かない状況が続いています。

 

同じ金融商品である、

保険商品でも同じように、

貯蓄の機能は果たすのはむずかしい状況です。

 

ただ、外貨建て保険商品の中には、

収益が見込める商品もあります。

 

ただし、為替変動や地政学的なリスクを伴います。

 

なお、最近は国内でも、

長期国債の金利が上昇しているように、

今後の市場の動向を注視することも重要です。

 

また、保険の保障の面では、

生活をしていく上で、

万が一のことが起こったとき、

その保障を得る機能です。

 

保険に加入するなら、その人にとって、

保険に加入する目的に合致した、

しかも、保険料の負担が少ない

家計に優しい、

保険商品に加入すべきです。

 

この先は、この保険の機能について、

話を進めます。

 

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保険加入の目的

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保険に加入する目的は、

 

たとえば、死亡保険に加入する場合であれば、

残された遺族の生活の保障のためと、

 

亡くなった方の葬式や法要の費用。

事業主で、その事業を清算する費用といった

整理資金のためにです。

 

金額に換算していくらの保障、

つまり死亡保険金が必要かは、

実際に、計算してみることが大切です。

 

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必要な死亡保険金額の計算方法

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死亡保険金額はいくらが妥当なのか、

その計算方法は、

 

(1)上記のように、その方が亡くなった時、

残された子どもの教育費や生活費といった

遺族に必要な金額。

 

そして、亡くなった方自身の整理資金を

確認します。

 

(2)遺族がこれから得るであろう

・遺族基礎年金(※1)、遺族厚生年金(※2)

の受給額

・勤務先からの死亡退職金

・亡くなった方の配偶者のこれからの収入

・亡くなった方に子どもがいて、

またその方の親が存命で、その親からの将来、

金銭的に把握できる遺産相続があるときの金額

・その他、家計に入ってくる根拠ある予定額

 

(1)-(2)=(3)

(3)の金額が、必要保険金額です。

 

<遺族年金について>

遺族基礎年金は、子どものいる配偶者と子どもが18歳(高校を卒業するまで)。

 

遺族厚生年金は、厚生年金加入者の遺族が、受給の対象です。

 

(※1)遺族基礎年金の詳細は日本年金機構のHP

遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額))」

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html

を、参照してください。

 

(※2)遺族厚生年金の詳細も日本年金機構のHP

遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html

を、参照してください。

 

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自分で保険を探さなくてもいい

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保険商品に加入すれば、

その保険料の総額は、

家計支出の結構なウエートを占めます。

 

支払った保険料に見合う

保険商品に加入したいものです。

 

そのためには、

どの保険商品が自分に適しているのか

選ぶことが重要です。

 

多数の保険商品から選ぶのが難しいのであれば、

上項の(1)(2)を自身で計算しておいて、

 

複数の保険外交員や保険ショップで

適切な保険商品を選んでもらうのも、

ひとつの方法でしょう。

 

その時には、

上項の(1)(2)の計算もしてくれると思います。

 

その計算結果と

自身で計算した結果の違いがないか、

確認してみることです。

 

もし違っていれば、

その理由が明確であれば、

その保険に加入してもいいでしょう。

 

このように、

死亡保険を例にお話してきましたが、

 

保険に入る本当の理由は、

万が一のその時に、またはその時以降、

 

生活をしていくために、

必要な資金の足りない分を、

補ってもらうために加入する。

 

これが、保険に加入する理由です。

 

従って、家計の負担になるような、

無駄な保険商品に加入することなく、

吟味して加入することも大事なことです。

 

 

なお、このシリーズは次のように、

進めています。

1.年金の受給額に間違いはないのか(前々回)

2.退職金で住宅ローンを完済してもいいのか(前々回)

3.NISAやIDeCoと元本割れの心配(前回)

4.保険に入る本当の理由がいまひとつわからない

(今回)

5.住宅は所有すべきか賃貸でいいのか(次回予定)

 

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◆  今週のポイント

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保険に加入する理由は、

 

貯蓄と保障を兼ね備えた保険商品で、

 

万が一の時の準備をしておくことです!

 

従って、準備が整っている方には、

 

不要な商品かも!?

 

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◆ 編集後記

*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:

 

元来、保険は補ってほしい保障に、

 

保険料を負担して加入する金融商品です!

 

この点を理解すれば、

 

保険商品に入り過ぎる課題は、

 

なくなると思うのですが……?

 

FP業、20年の実感です

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第528号)

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