「空き家」はお金がいる

 

人が住まなく放置されている、

「空き家」が、問題になって久しくなります。

 

戸建て住宅であれば、

庭には雑草が生い茂り、

また、家屋にも出入り自由の無法地帯に、

なりかねません。

 

また、近隣に住んでいる人には、

防火や防犯、時には、

野良ネコのすみかになり衛生の面でも、

迷惑をかけかねません。

 

しかし、住む人がいなくなった「空き家」でも、

持ち主はいます。

 

そこで、今回は、

「空き家」の持ち主になりそうになったら、

 

近所の人に迷惑をかけないために、

どのように準備して対応すればいいのか、

考えてみます。

 

 

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「空き家」は急には生まれない

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「空き家」が生まれる原因として、

そのひとつに、

親からの遺産分割で、

実家を相続したケースがあります。

 

実家を相続した子どもが、

すでに、ほかのところに持ち家があり、

 

しかも、その住んでいるところが、

実家から離れたところなら、

頻繁に実家に来ることもできなく、

管理が手薄になりかねません。

 

このケースでは、

子どもがひとりの時に限らず、

複数の子どもがいても、

子どもたちの家計があり、

おいそれと実家を相続できない。

 

にもかかわらず、相続したという事情も、

考えることができます。

 

しかし、実家は相続する子供たちの親が、

数十年間は、生活をしていたところです。

 

実家が「空き家」に急に生まれ変わる。

とは、なかなか考えづらくもあります。

 

 

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「空き家」にかかるお金

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「空き家」にもお金はかかります。

 

このお金は、

両親が亡くなった後の実家の場合、

「空き家」を相続した人が必要になります。

 

また、相続する人が決まるまでは、

共同の所有者として、

その子ども全員が、

分割して支払うことになります。

 

具体的に空き家にかかるお金としては、

まず、「固定資産税」や「都市計画税」です。

 

納税先の市町村・東京23区から、

その子どもの代表者に、

納税通知が送付されるでしょう。

 

 

また、実家が子供の住んでいるところから、

遠方であれば、

「空き家」の実家を管理してもらう業者を雇う

費用もかかります。

 

雑草や庭木の剪定(せんてい)のための費用は、

別に必要になるでしょう。

この費用は、防犯防火、公衆衛生の面でも、

必要な費用です。

 

今後、その空き家に住む予定があれば、

建物内の水道の配管が老化しないために、

水道の契約を継続しておいたほうがよく、

そのお金も掛かるでしょう。

 

 

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「空き家」になった実家の活用法

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では、「空き家」になった実家を

どのように活用すればいいのでしょう。

 

その活用法として、

(1)親族が住む

(2)賃貸で貸す

(3)売却

(4)事業経営

といったことが考えられます。

 

順番に見ていきます。

 

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(1)親族が住む

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実家に、

現在子ども家族が住んでいるところを、

売却するか、賃貸住宅として貸すかして、

実家に引っ越してきて住むことです。

 

子ども家族ではなく、

子どもの子ども、両親からしてみれば、

孫や孫の家族が住むことも

考えてもいいでしょう。

 

この場合は、

実家が築古の住宅の場合は、

リフォームの費用が必要になります。

また、引っ越しの費用もいるでしょう。

 

ただ、引っ越して来る、

子ども家族が住んでいた家が、

現在、住宅ローンの返済中であれば、

通常、その物件を賃貸には貸せません。

 

従って、その問題を解決することも必要です。

住宅ローンを返済している、

金融機関などに事前に相談してみることが、

賢明です。

 

それからこの子どもに兄弟姉妹がいた場合、

相続の問題が発生しないように、

事前に遺産分割の協議をして、

兄弟姉妹のあいだで、

両親からの相続の内容を、

決めておくことも必要です。

 

この両親からの相続に関しては、

以下の(2)から(4)の案でも、

大切なことです。

 

 

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(2)賃貸で貸す

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「空き家」になった実家が、

・鉄道の駅に近く交通の便がいい

・商業施設が近隣にある

・文教地区である

といった、

戸建て住宅を借りる人の需要を満たす

立地であれば、

 

建物をリフォームして、

戸建て賃貸住宅として貸すのもいいでしょう。

 

また、建物は解体して、土地を整地して、

駐車場として貸すこともできます。

 

この場合は、次の項目「(3)売却」で、

見ていきますが、

建物の解体の費用や土地の費用などが、

必要になります。

 

ただし、複数の子どもがいた場合、

次の世代を考えると、

上述の「(1)親族が住む」と同様に、

リフォームや建物の解体といった費用を、

兄弟姉妹が共同で出しあい、

みんなで貸主になることなく、

 

兄弟姉妹のうち、

実家を相続したひとりが、

家主として貸すことが大事です。

 

 

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(3)売却

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土地建物ごと売却して現金化もできます。

 

この場合、建物が築古の場合は、

建物を解体して更地にして売却したほうが、

高く売れることもあります。

 

相続する人が決まってから、

売却するのであれば、

解体費用は、相続する人が支払い、

売却して得たお金も相続した人のものです。

 

相続する人が決まる前に、

売却するのであれば、

解体費用は、

兄弟姉妹全員で分担して支払い、

 

売却して得たお金は、

兄弟姉妹全員で分けます。

 

なお、解体費用は、

その費用を知ることも必要です。

しかし、売却をして得たお金が、

手元に入るまで、

支払いを待ってくれる業者もあるようです。

 

ここは、解体業者を決める前に、

十分に打ち合わせをすることが重要です。

 

 

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(4)事業経営

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事業経営をすることもひとつの案です。

 

実家の土地を更地にして、

例えば、コインランドリーや

ベーカリーといったお店を始める。

 

また、実家の建物を利用して、

古民家風の喫茶店などを、

始めることも考えることができます。

 

もちろん建物は、

建て直してもいいでしょう。

 

事業経営をする場合は、

上記の(1)から(3)とは違い、

事業用の資金も必要になります。

 

 

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専門業者に相談すること

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上記の(1)から(4)以外の、

「空き家」を活用する方法はあるでしょう。

 

「空き家」をどのように活用するにしても、

その事業の専門の業者に相談することが、

「空き家」活用の第一歩になります。

 

例えば、「空き家」の実家を何とかしたいけど、

どうしたら最善なのか、迷っているなら、

不動産業者に相談します。

 

ただし、不動産業者は、

・アパートやマンションの部屋の仲介

土地や建物の売買

のどちらかを専門に商いをしています。

 

部屋の仲介の専門業者には、

賃貸にした場合の入居率や収益率など、

 

土地や建物の売買の専門業者には、

売買価格といった話を、

 

大手や地元の複数の不動産業者から、

話を聞きます。

 

そして、最善の方法で、

「空き家」解消の対応をすることです。

 

 

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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ

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「空き家」を不動産と考えれば、

 

文字通り、

 

動かない資産です。

 

時間をかけて、

 

最善の活用法を

 

考えることができるでしょう!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第498号)

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