生涯ひとりで過ごすと決めたら現役中に準備すること  

<前編>終の棲家(ついのすみか)はどこにする

 

私のところに、

生涯、ひとりで過ごすと決めた方から

リタイアメントプランニング、

老後の生活や資金計画の相談にみえたとき、

 

私は、必ず提案または確認する

つぎの3つがあります。

 

それは、

1.終の棲家(ついのすみか)はどこにする

2.生活する費用は生涯あるか

3.自分の財産はどのように処分するのか

といった内容です。

 

そこで、今回から、

生涯ひとりで生活すると決めたら、

快適に老後の生活がしていけるように、

現役の間から準備していくために、

この3つの内容を、

 

「1. 終の棲家(ついのすみか)はどこにする」を

<前編>として、

「2.生活する費用は生涯あるか」と

「3.自分の財産はどのように処分するのか」

を<後編>として、2回に分けてお伝えします。

 

 

今回は、

「1. 終の棲家(ついのすみか)はどこにする」です。

 

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現在となにがどのように変わるか想定する

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前編では、

生涯、終の棲家(ついのすみか)、

どのような住居で暮らしていくのか、

その参考になるお話をしていきます。

 

なお、この記事では、

生涯、ひとりで過ごすと決めた方を、

Aさんとしてお話をしていきます。

 

Aさんに限らず、

私たちは、自分だけではなく、

親、兄弟といったまわりの人も、

毎年歳を取っていきます。

 

これから生活をしていく上で、

なにがどのように変わっていくか。

 

想定しながら、

老後のプランニングをしていくことが大切です。

 

 

また、肉親や親せき、縁者にも、

まったく世話になることなく、

生涯を終えると決めない限り、

 

また決めたとしても、

 

自分より年の若い人に、

何らかの関係を持っていくことは、

生涯必要です。

 

日本の法律でも、

定められているところでもあります。

 

Aさんに関わる、家庭環境や親せき関係で、

考慮していくことが、

必要になるかもしれません。

 

 

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1. 終の棲家(ついのすみか)はどこにする

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まず、生涯どこに住むのか、

Aさんの現在、そしてこれからの

家計の収入や支出、

それに貯蓄残高の推移を考慮しながら、

主に、次の4つのパターンを参考に、

決めておくことです。

 

 

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1-1. 実家に住む場合

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最初に、実家に住む場合です。

 

Aさんは、現在実家で、

親と同居をしていて、

両親が亡くなったあとも、

この実家に引きつづき住んでいくとします。

 

Aさんに兄弟がいなければ、

Aさんは、この実家を、

両親が亡くなった後に相続するか、

また生前には、相続時精算課税制度を利用して、

実家をAさんが所有して、

住んでいけばいいでしょう。

 

また、Aさんに兄弟がいたら、

両親が亡くなったあとこの実家を含めて、

両親の遺産分割をどのようにするのか、

決めておくことが必要になります。

 

決めていく中で、

実家を相続することをほかの兄弟に、

納得してもらうことが大切です。

 

この場合に、実際の相続をするときに、

兄弟との間で、

金銭のやり取りが生じることもあります。

 

そして、実家をAさんが所有して、

住んでいくことになるでしょう。

 

 

なお、所有したあとは、

次の1-2. 自宅を購入して所有する場合

と、同様に維持管理を考えて、

生活をしていくことになります。

 

なお、実家に住んで生活していた当時の、

親の住宅関連の家計収支は、

参考になることでしょう。

 

 

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1-2.自宅を購入して所有する場合

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戸建であれ、マンションであれ、

自宅を購入して所有する場合は、

生涯の維持管理を考えます。

 

1-1.で実家を所有したときも

同様です。

 

住み続けるあいだの家計からの支出です。

 

たとえば、

固定資産税や都市計画税といった、

納税の費用が、

 

また、戸建であれば、

将来のリフォーム費用や水回りなど急な修繕費を

準備しておくこと。

 

マンションであれば、

自室のリフォーム費用や

毎月の修繕積立金などです。

 

 

自宅を購入するのに、

住宅ローンを組んで、借入れる金額は、

現役中に完済できる額までです。

 

今から、住宅を購入する場合は、

住宅ローンの毎月の返済額から、

購入物件の上限を決めることができます。

 

返済中に、返済が困難な状況がみえたら、

 

すぐに返済している金融機関に、

状況を説明して、

善後策を検討してもらうことです。

 

 

また、中古住宅を購入について、

端的に言えば、

 

戸建の場合は、

リフォームがされている住宅で、

快適に、生涯過ごせる住宅か、

 

マンションの場合は、戸建てに加えて、

将来、大規模な修繕が必要な建物など、

毎月の修繕積立金以外に、

負担する費用が具体的にどのくらい必要か、

といった確認をすることが大切です。

 

 

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1-3. 賃貸住宅の場合

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賃貸住宅で、

現在住んでいる部屋に生涯住み続けるなら、

 

その部屋に住み続けことができる

生涯の家賃の確保が必要です。

 

ただ、その建物が築古の場合に

考えておくこととして、

その建物が、

将来取り壊されることです。

 

たとえ壊された後に、

またそこに賃貸住宅が建てられても、

家賃が高くなることも考えられます。

また、賃貸住宅が、

建てられないこともあります。

 

 

また、歳を取ってから、

現在の賃貸住宅から、

ほかの賃貸住宅に引っ越すことを、

計画している場合、

 

将来のことはわかりませんが、

現状は、高齢者のひとり住まいの入居を、

家主は嫌う傾向です。

 

最悪の場合は、

高齢になってから、

住むところがなくなることも、

考えられます。

 

従って、賃貸住宅に生涯住む計画の場合は、

少なくとも、築年数の浅く、

生涯家賃を払っていける賃貸住宅に、

住むことが賢明です。

 

 

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1-4.同居を考える

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歳を取ってからか、

それともすでに、

 

Aさんは、

兄弟や親族の家に同居することも、

考えられます。

 

兄弟や親族が亡くなったあと、

その兄弟や親族の子どもと、

同居することもあるでしょう。

 

このような同居をする場合、

Aさんの住むところが、

誰の持ち物、つまり所有しているのかによって、

上記、1-1.や1-2の住宅に関連した、

Aさんの負担額も違ってきます。

 

 

また、賃貸住宅に同居する場合、

戸建ての賃貸でも、

スペース的にAさんは、

上記のような家族との同居も可能でしょう。

 

賃貸住宅で同居をする場合は、

この住宅は、

誰が賃貸借契約をして、

家賃の負担を誰がするのか明確にして、

Aさんはそれ相応の負担が必要になります。

 

 

なお、たとえば、Aさんが、

Aさんの兄家族と同居して、

Aさんの兄夫妻が亡くなったと、

Aさんの子どもの家族と同居できるかといった、

 

将来、問題が生じることが懸念されます。

 

 

このように、

住むところを決めておくことは、

 

言い方に語弊があるかもしれませんが、

他の家族を巻き込んだり、

端的お金の絡む問題でもあり、

現役中からの検討が必要なのです。

 

また、いわゆる「施設」に入居するといった、

選択肢もあります。

 

 

次回は、

「2.生活する費用は生涯あるのか」

「3.自分の財産はどのように処分するのか」

家計収支のやり繰りの準備についてと、

今回も少しふれましたが、

親からの相続、

そして、自分の財産の処理について、

お伝えしていきます。

 

 

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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ

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ひとりだけで、

 

家計を回すことはできても、

 

ひとりだけで、

 

生活はしていけないのです!

 

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第492号)

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