No.1077 資産運用は預金だけ良いという立場で考えてみた

 

資産を運用するには、

・銀行のお金を預ける

・株式や投資信託などの金融商品で運用する

・不動産で運用する

といった様々な方法があります。

 

この中で多くの方になじみのあるのは、

銀行にお金を預ける方法です。

 

そこで今回は、

資産運用をするのに、言いかえれば、

お金を貯めていく方法として、

銀行に預金するだけ良いという立場で

考えてみることしました。

 

 

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預金するメリット

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まず、銀行にお金を預けるメリットを考えてみます。

 

すでに20年くらい前になります。

2000年ごろまでは、

銀行にお金を預ければ、

黙っていてもお金が働いてくれました。

当時の利息は高い時には、

銀行によっては年利6.0%くらいあり、

預けておくだけで利息分の収益を

得ることができたのです。

 

その後は、年々利率は低下していき、

現在、銀行にお金を預けるときの利率は、

銀行ごとに違いますが、

普通預金では、年利0.001%くらい

定期預金では、年利0.002%くらいです。

 

銀行ごとのキャーンペーンに預けて、

優遇金利が適用されたとしても、

その恩恵として貯まる金額は、

預金するメリットといえる金額か、

疑問を持つところです。

 

従って、現在の金利面ので、

銀行にお金を預けるメリットがあるとは、

言い難いところがあります。

 

ただ、金利の面以外で、

銀行に自分のお金を預けるメリットはあります。

 

ペイオフといって、

万が一、銀行が破たんしたとき、

ひとつの金融機関(銀行)ごとに預金者1人当たり

元本1,000万円までと銀行の破綻日までの利息等が、

保護される制度で、

私たちの預金は守られているのです。

 

言いかえれば、各銀行に1000万円までは、

預けてご自身のお金(現在では、

利息はほとんど気付ませんので元本)が、

保護されているということです。

 

また、ご自宅にタンス預金をして、

お金を貯めていっても良いのですが、

もし、盗難の被害にあっても、

誰も補償してくれません。

 

しかし、銀行に預けておけば、

セキュリティーの面でも安全だと言えます。

 

これらは、

銀行に預金するメリットといえます。

 

 

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ちりも積もれば結構貯まる

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また、上記でペイオフの話をしましたが、

銀行に毎月5万円ずつ預金をしていけば、

現在利息はほとんど付きませんので、

単純にたし算をして、

1年間で60万円

10年間で600万円

20年間で1200万円貯まり、

預金額が1000万円を超えます。

 

預金の総額が、

ひとつの銀行で1000万円を超えるようであれば、

上記のペイオフの制度で、

複数の銀行に、

分けてお金を貯めていくことになります。

 

もっとも、ただ闇雲に貯めるのではなく、

・住宅購入の頭金用

・子どもの教育資金用

・旅行代金用

といった、目的を持って貯めていって、

その目的のために使うことです。

 

使ったら、また次の目標を決めて、

貯めていくというように、

 

目的を持って貯める、

貯めたお金を目的のために使う。

 

この循環を繰り返すことで、

目的のためにお金を貯めることができ、

 

たとえまとまったお金が貯まったとしても、

使う目的があるので、

衝動買いといった無駄に使うことは、

避けることができるでしょう。

 

 

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預金するデメリット

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次に、預金するデメリットです。

 

一定の金額まで元本が保証されていればよい、

という方には、預金するデメリットは、

ペイオフ以外はないかもしれません。

 

確かに、現在の預金では利息がほとんどなく、

預けた元本の金額が単純に貯まるだけです。

 

株式や投資信託で運用するようには、

お金はできないかもしれません。

 

しかし、株式や投資信託で運用する資金の元本は、

保証されていませんが、

預金する資金の元本は、

一行につき1000万円まで保護されています。

 

 

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金融商品で運用したらどうなる

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ちなみに株式や投資信託で運用した場合の

収益のシミュレーションをしてみます。

 

つまり、毎月5万円ずつ1年間、

年利1%で運用できたとすると、

収益が3,245円になります。

 

同様に3%で運用できたとすると、

収益が9,706円になります。

 

同様に7%で運用できたとすると、

収益が22,515円になります。

 

 

次に、毎月5万円ずつ10年間、

年利1%で運用できたとすると、

収益が311,278円になります。

 

同様に3%で運用できたとすると、

収益が989,596円になります。

 

同様に7%で運用できたとすると、

収益が2,600944円になります。

 

最後に、毎月5万円ずつ20年間、

年利1%で運用できたとすると、

収益が1,282,855円になります。

 

同様に3%で運用できたとすると、

収益が4,383,028円になります。

 

同様に7%で運用できたとすると、

収益が13,520,303円になります。

 

これらの収益には、

約20%の税金がかかります。

 

ここまで何のために計算したのか?

 

その理由は、

この後の章でお話いたします。

 

 

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リスクを考える

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上記の収益の計算例で、

単に銀行に預金するよりも、

金融商品で運用した方が、

単純に良いと思うかもしれません。

 

しかし、上記で算出した収益は、

世の中の景気の動向などのよって、

収益と同じような金額の損失を

もたらすこともあります。

 

つまり、収益の金額と同額、

損をするかもしれない、ということです。

 

この収益と損失の額のブレの範囲を

「リスク」といいます。

 

従って、収益が高く見込める金融商品ほど、

損失する可能性もあり、

ハイリターン(収益)ハイリスクの商品

といわれます。

 

 

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預金だけでも大丈夫?

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ここまでお話をしますと、

・ならば銀行の預金だけ貯める

・少しは金融商品挑戦してみようかな

と、その方の考え方によって、

意見が分かれることです。

 

 

預金だけで大丈夫という方には、

以下は必要のない話になります。

 

念のために、

金融商品で、資産を増やせる収益を上げるには、

収益からの納税額を差し引いても、

また、損失するリスクを考慮しても、

投資する資金が、銀行に預金して

貯めた金額を上回る金額になるように、

金融商品を運用しなくてはなりません。

 

従って、

相当まとまった資金と運用の知識も必要だ。

ということです。

 

 

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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ

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お金の貯め方は、

その人の考え方と経験を尊重するのが一番!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第458号)

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