No.1035 住宅ローンを組む前に準備しておく3つのこと

 

先週7/2No.1030の記事では、

住宅ローン契約後に借入先から

発行される書類のうちの繰上げ返済の

参考資料として利用できる「ローン返済表」

について、お伝えいたしました。

 

今回は、引き続き住宅ローンに

関連した内容で、住宅ローンを組む前に、

準備しておく3つのことを、

お話いたします。

 

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返済中に何が起こるか予測できない

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住宅ローンを返済する期間中に、

今回のコロナ禍のような、

全世界的の規模のできごと、

 

また、個々のご家庭だけで起きた

突発的なできごと、

 

いずれの場合でも、

その家庭の家計運営に影響がでて、

住宅ローンが返済できなくなる

可能性があります。

 

 

そのような事態にも対応できるように、

言い換えれば、

経済的に対応可能な購入価格を

知ってから、住宅を購入することが

大切で、そのためには

準備がいります。

 

その準備に必要な3つのポイントを

お話していきます。

 

が、その前に、「0.ポイント」として、

住宅を購入することに限らず、

家計を運営していく上で、

大切なことをお話いたします。

 

 

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0. 家計で一番大切なこと

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すでに何度となくお伝えしておりますが、

家計の支出は、

ひとつの財布から出ていくように、

しておくことです。

 

ひとつの財布にしておかないと、

順調に生活をしていれば良いかも

しれません。

しかし、夫婦の間や家計で、

些細な問題が起こったとき、

その問題をより大きくしかねないから

です。

 

住宅購入に限っても、

数千万円の買い物をして、

購入資金を、ローンを組んで、

ここでは住宅ローン返済をすれば、

今まで体験したことのない

支出と借金を背負うことになります。

 

借金を背負うことは、

実際に背負ってみると、

人によっては思いのほか

負担になると聞いたことがあります。

 

返済中に、

家計に関わる問題が発生したとき、

財布をひとつにしておけば、

容易に解決できた問題も、

夫婦個々に財布を持ち、

そのなかから一定のお金を出し合って、

寄り合いの家計の財布では、

お互いの財布が見通せず、

解決できないこともあるからです。

 

ここは、住宅購入に関わらず、

家計の財布をひとつにしておくことは、

夫婦で考えていただきたいことです。

 

 

では、住宅ローンを組む前に準備しておく

3つのことを、順にお話して参ります。

 

 

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1.最長返済期間を決めておく

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住宅ローンを組む時に返済期間も決めます。

金融機関や住宅ローンの契約者の年齢に

よって、違いはありますが、

通常最長で35年間です。

 

しかし、住宅ローンの返済期間は、

収入があるうちに返済を完了するように、

返済期間を決めておくべきでしょう。

 

つまり、サラリーマンの方の定年は、

この先70歳になるかもしれません。

ただし、現状を考えると職場によっては、

55歳くらいから昇給が止まり一定額になり、

60歳で一度定年を迎えます。

その後は再雇用で同じ職場で働けても、

収入はいままでの半分くらいまでに、

減少することもあります。

 

つまり、現役の収入が確保している間に、

住宅ローンを完済するように、

返済の期間を決めておくことです。

 

 

なお、個人的に綿密に老後の生活資金を

貯めていて、退職金を老後の生活費に、

使う必要のない方以外は、

退職金の使い道は、老後の生活資金であり、

住宅ローンの返済に使うお金では

ありません。

 

また、事業主の方は、

定年の概念はないかもしれませんが、

一定の収入が得られる期間内で、

完済するべきです。

 

 

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2.毎月の返済額を決める

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次に、

毎月無理なく返済できる金額を

決めることです。

 

そのためには、

家計の毎月と年間の収支を把握して、

生涯の家計収支の推移表を

作ってみることが必要です。

 

作成した家計収支の推移表から、

無理なく返済可能な、

住宅ローンの毎月の返済額を

算出してみます。

 

現在の住宅費が、

例えば、毎月の家賃が8万円の

賃貸住宅に、現在入居している方が、

住宅ローンを組むとして、

 

住宅ローンの毎月の返済額として、

毎月の家賃8万円を基準として、

毎月あと2万円増やして、

毎月10万円でも返済でも

可能であれば、

毎月10万円返済すると決めます。

 

反対に、今後子どもの教育費を考えると、

完済期間まで、

毎月7万円なら返済できると思えば、

毎月7万円返済すると決めます。

 

現在家賃が8万円の家庭で、

住宅ローンの毎月返済額を

10万円とすると、

その差の2万円は、

30年間でローンを返済するのであれば、

単純に計算すると

2万円×12カ月×30年間=720万円

720万円違ってきます。

 

この720万円を、

そのまま住宅購入費用にしても良いのか、

毎月の返済額は8万円として、

720万円は別の用途に使うのか、

ここは、夫婦で熟考する必要があります。

 

 

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3.資産価値のある住宅を購入する

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もう一つのポイントは、

資産価値のある住宅を購入することです。

 

例えば、

AさんBさんともに同じ時期に、

住宅ローンを組んで、

戸建ての3000万円の住宅を購入しました。

 

10年後にやむを得ない事情が出来て、

Aさん、Bさんともに、

この住宅を売ることになりました。

 

 

その価格は、

Aさんの住宅は1000万円、

Bさんの住宅は3500万円

と査定されました。

 

なぜ10年間で

このような差が生まれたのでしょう?

 

様々な要素を考えることができます。

 

例えば、立地の問題です。

Aさんの購入した住宅は、

敷地面積が約80坪、

鉄道の駅から歩いて20分。

買い物も駅まで出てこないと

できない物件でした。

 

Bさんの購入した物件は、

敷地面積約40坪、Aさんの半分です。

しかし、鉄道の駅から歩いて5分でした。

買い物は駅でも駅前でもできるし、

駅から急行に乗って

都心まで7分の距離でした。

 

売買価格に差がつく要素は

他にもあります。

Aさんの住宅の方が、Bさんの住宅より

購入したときは広くて見栄えも、

良かったかもしれません。

 

しかし、見栄えだけが、

売買価格に反映するのではなく、

根本的な建物の構造も対象になります。

 

Aさんの住宅は、

建設後30年もすれば、

建て替えなくてはならない安価な

素材の建物でした。

それに比べてBさんの住宅は、

正直なところ地味な住宅でありますが、

補修をしていけば、

それこそ100年持つ住宅だったのです。

 

つまり、できれば購入したときより

高く売れるような、

資産価値がある住宅を購入することが、

大切なのです。

 

 

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すぐには購入物件が決まらない

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このように相談者にお話をすると、

言われることがあります。

 

「気に入っている物件は、

すぐに契約をしないと、

他にも欲しがっている人がいる。

と、不動産業者やハウスメーカーから

言われるから、

悠長に、上記の1.から3.

それに0.までも準備する時間はないです。」

と言われることがあります。

 

しかし、購入するか検討する物件は、

いくら見た目で気に入っても

事前に決めておいた、

返済期間と購入価格内で、

それに資産価値がある物件なのです。

 

 

上記の1.から3.時間がかかることです。

また、このような物件は、

あまりお目にかからないかもしれません。

 

言い換えれば、

物件はすぐには見つからないのです。

 

生涯、一番高い買い物をするのに、

すぐにはなかなか見つからなくて、

当然といえば当然の話なのです。

 

 

次回は、今回の記事を参考に、

購入物件価格の算出方法を

お話いたします。

 

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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ

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住宅を購入できるのは、

 

机上での計算と

 

実際に足を運び

 

目を慣らし、時には肥やしてからです!

 

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第450号)

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