No.1020 保険金100万円の保険料を計算してみた
ある日、私は、50歳の女性が、
毎月の保険料が400円台で、
100万円の死亡保険金を遺族が受け取
れる、保険会社の死亡保険の広告を
見ました。
保険金が100万円支払われるには、
広告をよく読んでみると、保険料は
5年ごとに上がる。
その他にも条件があるようです。
そこで、今回は、このような保険で、
100万円の保険金が受け取れるのに、
現在50歳の女性の平均余命である、
88.29歳(厚労省平成29年簡易生命
表より)までに、いくらの保険料を支
払うのか、実際に計算してみました。
なお、平均余命とは、ある年齢の
人々が、その後何年生きられるかと
いう統計値です。厚労省の生命表から
知ることができます。
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試算をする保険商品の内容
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試算する死亡保険商品は、
実際に販売されている保険商品を
参考に、その保険商品の毎月の保険料を、
約一割安価に設定して、
私が、独自に机上で作成いたしました。
従って、実際には販売されていないことを、
ご承知おきください。
<死亡保険商品の内容>
・保険金100万円
・89歳まで申し込み可能
・99歳まで保障が継続
・保険期間は、1年間の掛け捨て保険
・保険料は、89歳まで5歳刻みで、
90歳以上は1年ごとに変更
保険期間とは、
保険金が支払われる期間のことです。
また、掛け捨て保険とは、
解約しても解約返戻金にない保険商品
のことです。
上記の内容は、試算をするために、
必要な部分のみです。
実際の保険商品に加入するときは、
その商品の「重要事項説明書」や「約款」を
熟読して、保険商品の内容を理解し、
また健康告知もして契約をします。
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試算してみました
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繰り返しになりますが、これから、
現在50歳の女性が88歳で亡くなって、
遺族が保険金100万円受け取るのに、
いくら保険料を払うのか、
毎月の保険料の総支払額を計算します。
50歳から54歳まで月保険料:430円
430円×12カ月=5160円
5160×5年間=25800(1)
55歳から59歳まで月保険料:530円
530円×12カ月=6360円
6360×5年間=31800(2)
60歳から64歳まで月保険料:700円
700円×12カ月=8400円
8400×5年間=42000(3)
65歳から69歳まで月保険料:970円
970円×12カ月=11640円
11640×5年間=58200(4)
70歳から74歳まで月保険料:1450円
1450円×12カ月=17400円
17400×5年間=87000円(5)
75歳から79歳まで月保険料:2470円
2470円×12カ月=29640円
29640×5年間=14万8200円(6)
80歳から84歳まで月保険料:4840円
4840円×12カ月=58080円
58080×5年間=29万0400円(7)
85歳から88歳まで月保険料:9810円
9810円×12カ月=11万7720円
117720×5年間=58万8600円(8)
50歳から88歳まで保険料支払い総額は、
=127万2000円です。
念のため、
保険金のもらえる金額は100万円です。
60歳から88歳まで加入したとすると、
上記で計算した50歳代の(1)(2)は不要で、
(3)60歳代以降の計算になります。
保険料の総支払額は、
=121万4400円です。
現実的ではありませんが、同様に、
70歳から88歳まで加入したときは、
(5)+(6)+(7)+(8)
=111万4200円
80歳から88歳まで加入したときは、
(7)+(8)=87万9000円
となりました。
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保険期間に注意
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この保険商品で注意が必要なことに、
この死亡保険は、
掛け捨ての保険と設定しています。
そのため、保険期間中に解約をしても、
解約返戻金はありません。
そのために、一般的に掛け捨ての保険は、
保険料がお値打ちになっている、
と言われている所以でもあります。
それはそうとして、
この保険で一番注意していただきたいのは、
保険期間が1年ということです。
50歳から75歳まで毎月保険料を
支払っていたとしても、
何らかの理由で、76歳の更新の時に
この保険を解約したら、
その後に亡くなった場合、
この女性に死亡保険金は、
1円も支払らわれないのです。
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加入する前に保険商品を熟知すること
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ここまで試算した結果をご覧になって、
あなたは、
実際にこの保険商品に加入しますか?
一見、保険料が安価なように
見える保険商品でも、
保険金がもらうのに、
実際に、いくらくらいの保険料が必要か、
といった、
その保険商品の内容を熟知して、
その方にとって必要であれば、
加入することが大切です。
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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ
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保険商品に加入するときは、
必ず商品の内容を熟知してから、
加入しましょう!
人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第447号)
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