No.1015「保険の見直し」とは新しい保険に加入することなの?

 

実は、契約をしたときに、保険の外交

員に勧められて、ほかにも数種の特

約の契約もしていました。

この度、保険会社から従来と保障の

内容は、変わらないけど、保険料が

従来よりも1.5倍高くなる連絡があり

ました。

 

そこで、Aさんは、保険料の負担が

増えるのを機会に、この保険を

見直したいと思い、私のところに

相談にみえたのです。

 

今回はその時のお話をいたします。

 

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Aさんの加入保険の認識

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日頃、Aさんはこの保険の保障内容を、

ご自身が亡くなると、3000万円遺族が

もらえる。

入院したら、1日1万円もらえることまで

は知っていました。

 

契約の時に、同時に加入したほかの

特約の内容や、今回のように保険料が

高くなることは、

契約するときに保険の外交員から、

聞いたことがある様にも思う程度で、

さほど保障の内容まで重視すること

なく、加入したようです。

 

実は、すべて契約時に交付された、

書類に記載されていることです。

 

ただ、Aさんのように契約時に、加入

しようとしている保険商品の保障内

容を念入りに読むことなく、勧められ

るままに保険に加入して、保険料高く

なるといった機会に、保険を見直そう

とする方もみえます。

 

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見直す3つのポイント

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ところで、どこの保険会社の商品でも、

見直す時のポイントは基本的には、

 

(1)死亡保険では、

保険金の額は、保険料に見合って

いるか、

(2)医療保険でも、

入院給付金の額は、保険料に見合って

いるか、

(3)そしてもう一つ、

必要な保障のみに加入しているか、

 

以上の3つです。

 

引続き、Aさんの加入中の保険を、

例に、見直すポイントを

順にみていくことにしましょう。

 

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(1)死亡保険

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Aさんは、現在保険金3000万円の

保険に、加入しています。

 

この3000万円とはどこから算出し

た金額でしょうか。

 

まず、この金額の出どころの根

拠を明確にすることが必要です。

 

そのためには、Aさんが万が一

のとき、公的年金の遺族年金

から、残された家族が何歳から

何歳まで、いくらの受給を受けら

れるのか、

事前に調べておかなくてはなり

ません。

 

その結果、

遺族年金からの受給額で、足り

ない分を補うために、民間の

死亡保険に加入するのです。

 

今から計算して、3000万円の

保険金が必要なければ、保険

金の金額を減額すればよく、

その場合は、毎月支払う保険

料も安くなるでしょう。

 

ただし、現在の3000万円保険

金では、足りなければ、

必要な期間、保険金額を増やす

ことも、必要になるかもしれません。

 

この場合は、他社の保険商品と

比較検討して、

現在の保険を解約して新しい

保険に、加入することになるかも

しれません。

 

また、掛捨ての保険でなく、

解約したときに解約返戻金が出る

保険商品に加入していれば、

現在加入中の保険を

払済み保険にできるか、検討

することも必要です。

 

保険会社に確認して、「払済み

保険」にすることができて、

その場合の死亡保険金額が、

3000万円より減額されるとは

思いますが、その金額で、

残された遺族の保障が満たされる

ようならば、今後、保険料を支払う

ことなく、必要な分の死亡保障を

得る方法ができる「払済み保険」

に見直しても良いでしょう。

 

なお、「払済み保険」にすると、

特約はすべて解約することに

なります。

 

Aさんの場合は、医療特約などの

保障が、解約されてしまうことには

注意が必要です。

今後とも、医療保険に加入が必要

であれば、他の策を、検討しても

良いでしょう。

 

つぎは、医療特約を含む

医療保険についてみてみます。

 

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(2)医療保険

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医療保険の保障内容としては、

入院したときに一日定額が給付される、

入院給付金。

入院中に手術を受けたときに給付される、

手術給付金。

 

そのほかにも通院給付金といったに

ように、保険会社各社が、

さまざまな商品を発売しています。

 

 

これらの保険商品の特徴として、

保障の内容が充実すれば、

その分、保険料が高くなることです。

 

「高額療養費」という言葉をご存知で

しょうか?

 

私たちが加入している、健康保険

から、主に入院したときに医療費が、

収入に応じた上限額を超えたとき、

その超えた額を健康保険から

受給してもらえる制度のことです。

 

一般的な収入に分類される方が

入院した場合、

一カ月の自己負担額は9万円くらい

になります。

 

Aさんが入院して、一カ月の医療費

が100万円だったとしても、

自己負担は3割の30万円です。

 

しかし「高額療養費」制度で、

一カ月あたりの自己負担額は、

約9万円で済むということです。

 

ただ、入院中の給食費や特別室

使用料は、「高額療養費」の対象には

なりませんので、別途に負担すること

になります。

 

つまり、入院したときの負担する額の

上限は、おおよそわかっているので、

わざわざ保険に加入しなくても良いなら、

医療に関係する保険商品に加入しなく

ても良いという考え方もできます。

 

それでは、もし高額な医療費がかか

るときに心配、という方は、

安心できる必要な額分、医療保険に

加入しておいても良いでしょう。

 

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(3)必要な保障のみに加入している

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ここまで、Aさんの加入している、

死亡保険と医療保険を見てきました。

 

見てきていることは、

必ずしも保険商品に加入しなくても、

 

遺族年金や「高額療養費」などの、

国の社会保障制度で足らない分を

民間の保険に加入して補えばよい

ということです。

 

ちなみに、社会保障制度は、

その方の働き方にもよりますが、

年金保険料は、一定の年齢まで、

健康保険料は、生涯支払っていま

す。

無償の制度ではないのです。

 

また、保険の見直しというと、

現在加入している保険を解約して、

新しい保険加入するイメージを

お持ちの方もみえます。

 

しかし、実際には、この記事でも

記述したように、現在加入中の

保険商品をベースにその方にとって、

一番適した保障内容に変えることも

可能なのです。

 

多くの保険商品の特色のひとつに、

同じ保障内容の保険商品でも、

保険料は、

契約時の年齢によって高くなります。

 

確かに、家計支出を節約する手段として、

また、無駄にお金を使わないために、

保険を見直すことは賢明なことです。

 

ただ、必要な保障を得るのに、

新しい保険商品に入り直すことは、

得策ではないこともあると思うのです。

 

 

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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ

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保険に加入するとき、

 

その保険商品でいくら填補したいのか、

 

まずは、その検討が必要です!

 

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第446号)

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