No.1005 家計の財布を生涯ひとつにする理由

  

私は長年、家計の財布は生涯ひとつで良

いと、お話しています。

 

今回は、あらためて、なぜ、ひとつにする

のが良いのか、その理由を、実例をまじ

えてお伝えいたします。

 

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結婚したときの家計の構想

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新婚のご夫婦や、まじかに結婚予定の方

から、新婚の家計のつくり方を聞かれるこ

とがあります。

 

とはいっても、すでに、家計の構想をお二

人で、描いていることも多く、その計画を

聞くこともあります。

 

すると、新婚当時は、夫婦がともに収入を

得ていることも多く、

・家計用の財布をつくり、そこに、毎月、

夫婦とも決めた金額を入れていく。

残りのお金は、それぞれに管理する

 

・夫の収入は、家計の支出に充て、妻の

収入は、将来のためすべて貯蓄する

 

表現に違いはあっても、このふたつのど

ちららかで、新婚の家計を運営する構

想を持つことが、多いように思います。

 

また、お互いの収入は知らせない、カッ

プルもあるようです。

 

 

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目標のある貯蓄は容易にできる

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結婚をしてからお金を貯めるのは、

 

・住宅購入のための頭金

・子どもの大学入学資金

といった目的を持ってする場合があり

ます。

 

たとえば、住宅購入の頭金を、毎月5

万円ずつ、10年間で600万円貯めると

します。

そして、10年後に住宅購入のために、貯

めたお金を使い切ってしまうのです。

 

このように貯めて使う貯蓄は、その資金

が、夫や妻のみの収入や、夫婦お互い

の収入から、決めた金額を出し合って貯

めていくことも、使う目的があるため容

易にできるでしょう。

 

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老後の生活費を貯める貯蓄とは?

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現在の社会保障制度で、公的年金からの

収入だけで、現役時代と同じような生活を

維持することは、難しいのは容易に想像で

きます。

 

そこで、老後の生活も、現役時代と同じ水

準を維持したのであれば、現役の時代か

ら、老後の生活資金のために貯蓄や株式

や投資信託、保険商品などの金融商品を

運用したりして、準備することが必要です。

 

ただ、老後の生活費を長年貯めていくこ

とは、上記の住宅購入の頭金を10年単位

の短期間で貯めるような、

一定の期間、

一定の金額を貯めて、

住宅購入という目的のために貯めたお金

を使い切ってしまうのとは違い、

 

長い期間かけて貯めて、老後生活に入っ

てからは、生涯、その貯めたお金を取り

留めもなく、夫婦の個々の目的ではなく、

家計を維持するために貯蓄を崩していく、

上述とは性質の違う貯蓄をするのです。

 

このことを納得して、お互いの収入から

貯蓄資金を出さないと、人によっては、

歳を取ってから、不公平感を持つことも

あるようです。

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夫婦の生い立ちを振り返る

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私は、別の観点から、家計形成の話しを

新婚のご夫婦に話をすることがあります。

 

それは、熟年夫婦のことを、似たもの

夫婦」ということがあります。

 

新婚の時代には、「似たもの夫婦」とは

あまり言われません。

 

それは当然のことであり、ご縁があり夫

婦になるにしても、お互いの生い立ちは

違います。

どういうことか具体的にお話しします。

目的を決めて毎月一定額を、貯蓄してい

る家庭があったとします。

このような家庭に育った子ども同士が、

いっしょになれば、その家庭は、難なく

貯蓄をする家庭になるでしょう。

このような家庭同士のことが結びつくこ

とは、余りないでしょう。

 

むしろ、毎月一定額を貯蓄している家

庭の子と、お金を貯めることに馴染まな

い家庭の子と、

また、

株式売買に抵抗のない家庭で育った子

と、元本が減ることに抵抗のある家庭で

育った子と、

つまり、家庭環境が違う子同士が結婚

して、ひとつの家庭を作ることの方が多

いでしょう。

このような違った生い立ちの夫婦で、独

自の家計を作り上げてきた、つまり、

「似たもの夫婦」になった過程を伺い、そ

の話を新婚の夫婦にすることもあるので

す。

 

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だから、家計の財布は生涯ひとつ

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では、なぜ独自の家計が作れたのでし

ょう?

ひと言でいえば、ご夫婦の努力の賜物で

す。

ただ、よくこのようなご夫婦のお話を聞

くと、単純な共通点があります。

それは、新婚当時から、

(1)家計の財布はひとつにした

(2)お互いに収入の金額を話していた

ということです。

単純なように見えます。

しかし、老後生活に入ってからも、(1)(2)

出来なくて、長年連れ添った後に、独自の

道を歩むようになることもあるようです。

ここは、退職してから、家計の財布をひとつ

にするという計画ではなく、

結婚した当初から、

生涯、家計の財布はひとつにしておい

た方が、生涯の家計収支の推移を把握でき、

また、収支の変動に敏速に対応でき、

夫婦ともに穏やかな人生が歩めると思うの

です。

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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ

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新婚から、

 

家計の財布をひとつにしておく

 

何の弊害もあり得ないことです!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第444号)

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