#560 シリーズ「終の棲家」役目が終わった後、相続人はどうする 

 第3回マンションの場合

 

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3回シリーズで、

 

親が生涯を終える場所と決めて住む

終の棲家(ついのすみか)。

 

そして、その役目を終えた後、

その家を相続人でもある子どもは、

どうしたらよいのかを考えてきました。

 

 

今回は、最終回です。

 

マンション、集合住宅の場合を考えてみます。

 

 

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戸建てとの違い

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終の棲家として

マンションを所有していた場合、

 

何も、終の棲家に限ったことではありませんが、

 

同じ所有をしていても、

戸建てとマンションでは明確な違いがあります。

 

 

まず、マンションの場合は、

修繕積立金など、

そこに住んでいる限り

毎月一定のお金が出ていくことです。

 

部屋の中を改装するにも、

制限があるところもあります。

 

「エントランス」「廊下」など、

共用の部分があります。

 

 

つまり、マンションの場合は、

すべて自由には使えないのです。

 

 

また、マンションでも土地を所有しますが、

戸建てが敷地すべてなのに対して

マンションでは、

その入居部屋数や所有面積によって

変わってきます。

戸建てほどの土地を所有することはありません。

 

 

戸建てなら、

購入した家と土地をすべて自由に使える

と、言い切ってもよいのです。

修繕の積立は「所有者の自主計画」です。

 

 

ということは、マンションは、

先回までに考えてきたように、

 

一般的に、

資産価値が下がる「建物」を、

メインに所有していることになるのです。

 

 

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終の棲家の対応法

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そこで、マンションで、

終の棲家が必要なくなった時、

その対応の方法は、

 

戸建ての場合と

同様のところもありますが、

マンション特有の対応が、

必要なところもあります。

 

そこで、

親の終の棲家だった家の親亡き後の

対応の仕方を

先回までの復習を兼ねてみていきましょう。

 

 

まず、子どものうちの誰が、

その部屋を相続するかを決めます。

 

親と同居していた子どもがいれば、

その子どもとその家族かもしれません。

 

親が亡くなってから、

その家に、子どもが引っ越してきて

生活するかもしれません。

 

また、賃貸で貸したり、

売却をしたりするかもしれません。

 

 

どのような方法をとるにしても、

手続きに時間とお金がかかりますので、

 

親が生きている間に、

親子で話し合っておけば、

相続もスムーズに行え、

終の棲家も次世代に生かせるでしょう。

 

 

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マンション特有の問題

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では、ここからは、

終の棲家だった部屋のその後を、

マンション特有の問題を考慮した

対応を考えていくことにします。

 

 

それは、上述もしましたが、

戸建てでも、町内会、自治会など、

地域での活動をはじめとした、

広い意味での共同生活は勿論必要です。

 

マンションでは、

広い意味での共同生活に加え、

狭い意味での

共同生活をする必要があるということです。

 

 

例えば、ごみ当番や共用部分の清掃当番など、

そのマンション独特の

「掟(おきて)」があるかもしれません。

 

 

長い間そのマンションで生活をしていれば、

何のことでもないことかもしれませんが、

新参者には慣れるまでつらく理不尽な、

また、いつまで経っても

慣れることのできない掟があるかもしれません。

 

新しく相続で所有者になる予定の方は、

マンションの特徴を、

事前に親から聞いておいたらよいでしょう。

 

 

また、そのマンションの築年数などによっては、

大規模修繕や建て替えが

必要になることもあります。

 

その費用は、

通常の積立金だけで賄えず、

各戸、時には100万円単位の負担金が

必要な場合もあるようです。

 

 

また、

住んでいる方の中には、

その負担金が出せない方や

分譲マンションでも何らかの事情で

「空室」になっている部屋があれば、

 

その分、特別な負担金に限らず、

毎月の積立金の積立額にも影響が出てきます。

 

 

マンションの管理組合で、

相続するマンションに、

何か問題が起こっていないか、

確認をしておくことも大切です。

 

 

また、何かくすぶっている問題は、

近くの不動産会社などに、

そのマンションの評判を聞いてみても

よいでしょう。

 

 

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(まとめ)建物には寿命がある

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以上、3回にわたり、

親の終の棲家の役目が終わった後のことを

考えてきました。

 

結論として、

 

終の棲家と決めたところで、

 

親はやれやれここで生涯の生活ができる

と思っていることでしょう。

 

 

しかし、建物には、

寿命があることを考慮しながら、

 

ここは、

終の棲家の役目を終えた後まで、

 

親子で考えておいた方が、

 

子どもにとっても、

将来の無駄な出費の必要もなく、

 

親にとっても、

安心して終の棲家で、

余生を送ることができるでしょう。

 

 

 

 

 

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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ

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終の棲家をどうするのか、

 

建物の寿命を考慮しつつ

 

親子で考えておきましょう!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ(第355号)
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