No.531 老後の準備をするのに忘れてはいけないこと
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今回は、特にご夫婦の方に向けて、
よくご相談に見えた方がお話しになる、
老後の準備をするときに忘れがちな
でも、忘れてはいけないことを
お伝えいたします。
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老後の生活を描くということは
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定年退職を控えたサラリーマンの方で、
老後の生活の準備の相談というと、
すでに、老後の生活を描いていて、
そのなかで、
特に家計収支の面でのシミュレーションの相談、
退職金をどのように運用したらよいのかの相談、
住宅ローンの返済が残っている方の中には、
退職金のうちいくら位繰り上げ返済に、
または完済してよいのかの相談、
中には
漠然と老後の生活はどうしたらよいかといった相談、
など、様々な相談をお受けすることがあります。
そこで、思うことがあります。
確かに会社などに勤務をして見える方は、
経営者の方の方をはじめ、
長年勤めて見えれば、
会社の将来を決める決断をすることもあり、
そのための予算を組むこともあるでしょう。
同じようなことを、
退職後の家計でもすることが必要です。
老後の生活は、
お金の出し入れから始まり、
すべてのことをご自身またはご夫婦で
決めることが必要なのです。
いい加減に決めては、
家計収支に影響を与える
生活が困窮してしまうかもしれません。
つまり、現役の収入と
老後の年金収入を中心とした生活は、
家計の収入に変化があり、
家計の支出には変化ない。
少なくてもこの認識を持って、
老後の生活を描くことが必要です。
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老後の生活を描くのは時間がかかる
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また、具体的な老後の生活を描くのは誰でしょう?
言わずと知れたご本人です。
ご夫婦であれば、
ご主人と奥様です。
老後の生活の素案を創る段階で、
少なくとも3種類の案が必要です。
ご主人の案
奥様の案
私が、FP業務で今後の生活を描く「人生の行程表」を
ご夫婦に個々に書きていただくとき、
ご夫婦とも同じような、
「人生の行程表」を描くことは皆無です。
そこで、必要となってくるのが、
ここに作成したご夫婦個々の「人生の行程表」を尊重しながら、
ご夫婦が一緒に作る
3つ目の案です。
従って、作成するのにご夫婦の間で、
話し合いの時間が必要で、
作成まで時間がかかるのです。
現役中は、忙しいのでリタイアしてから考える。
といわれる方が見えます
しかし、
リタイアしてから考え始めては、
折角、第二の人生である
老後の生活の半分は過ぎてしまい、
年金収入と貯蓄の取り崩しの家計支出を
目のあたりにすると、
「人生の行程表」を描くどころでは
なくなってしまう家庭もあります。
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個々の通帳のことで考えておく
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特に、共働きのご夫婦で、
家計用の銀行口座と
ご夫婦別々の銀行口座をお持ちの場合など、
家計収支を一本にして見えないご家庭では、
現役中にご夫婦で話し合って、
取り決めておいていただきたいことがあります。
それは、老後の生活でも、
共に現役中の収入があればよいのですが、
多くのご家庭では、
老後の生活にはいると、
年金収入は現役時代より減り、
現役時代の生活を維持していくためには、
お互いの年金を合算して、
家計を維持するという現実があります。
極端な考えとはなりますが、
現役中は、個々の銀行口座に入る収入を
必要な分だけ家計の口座に入れれば、
生活は成り立っていたかもしれません。
しかし、老後の生活では、
現役中と同じような収入の管理や使い方で
生活をしていくのは、
収入の額から難しいでしょう。
また、共働きの夫婦でなくとも
年金は個々人の口座に入金されます。
老後の生活の家計収支にかかわる問題ですので、
ここは現役中にざっくばらんに
ご夫婦で話し合って円滑な
老後の生活ができるようにしていくことが大切です。
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一人で決めることはない
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ここまでお読みになって、
少し大袈裟ではない、
と、思われる方もみえるでしょう。
ただ、
わたくしのところに、
老後の生活に入ってから、
相談に見える方の中には、
残念ですが、
もっと早くから話し合ってあっていれば、
別れることはなかった(熟年離婚)。
ご主人が、年金を自分だけのお金と勘違いして
家計に入れなかったために、
家計が困窮状態になってしまった。
現役中ならリカバリーも可能でしょうが、
現役時代の何分の1になった年金収入で、
家計の立て直しは、
現実的に難しいです。
このように、老後の準備をするのに必要なことは、
まず、ご夫婦で話し合い、
老後の生活資金の移動がスムーズにできる、
家庭の掟を準備しておくことです。
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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ
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老後もご夫婦楽しく生活をするには、
率直な意見の交換をしながら
その準備が必要です
人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ(第350号)
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