私が参加した集まりなどで、
参加された方と名刺交換をすると、

中には、
「なかなかお金は貯まらなくて」
とか
「お金はないから資産運用には縁はない」
とか、言われる方がみえます。

よくよくお話を伺うと、
実際のところは、
ご自身は気が付いていないが、
底深い問題を抱えている方もみえます。


そこで今回は、

老後を過ごすに当たり

現役時代の給与や事業収入から
年金が主な収入となり
結果、家計の収入が減り
現在の家計収支を維持していくことが
困難になることが予想される場合に、

今、現役中にしておくことを、
考えてみたいと思います。


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資産額を知る
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貯蓄もなく、
これといった資産は持っていない。

今の給与では、
生活をしていくのが精一杯で

とても老後の生活のために、
お金を貯めるなんて無理!

と言われる方がいます。


また、歳をとってお金が無くなれば、

住んでいる土地と家を売って、
そのお金で、
安い賃貸アパートに引っ越せば
生活はしていける。

といったお話を聞いたこともあります。


このような方の場合、

老後の生活を心配はしているが、
準備の仕方がわからない。

ともいえます。


そこで、現在の家計収支のままで
老後の生活を送るようになったときに、

家計の支出は、
食費が減っても、
医療や介護の費用が増える可能性もあり
あまり変わらないでしょう。

一方、家計の収入の方は、
基本的には、
公的年金の主な収入であり、
それに加えて、
サラリーマンの方であれば、
勤め先からの
退職一時金や企業年金が、

また、現役中に、
貯蓄をしていればその額が、
個人年金保険などで積立ててみえれば、
その受取額も家計の収入となるでしょう。


まず、ここに記載した
これから生涯の
収入と支出の金額
それに、貯蓄額の把握が必要です。


それに加えて、
株式や投資信託などの金融商品で
運用をして見える方は、
その商品を現在売ったらいくらになるのか。

不動産を所有してみえる方は、
マンションであれば
その部屋を売ったらいくら位になるのか。

戸建てであれば、
その土地を売ったならば、
築古の建物であればその解体費用を含め、
更地で売った額を、

さらに、住宅ローンの返済中であれば、
不動産を売却し、
住宅ローンも完済した金額が、
現在の資産の額となります。

この金額を把握しておくことが大切です。


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一度把握しておけば後が楽
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簡単に資産額が把握できる方もあれば、
不動産の売却価格などは、
近所の不動産屋などに
たずねることも必要となり、
時間も動力もかかるでしょう。


しかし、一度調べて
一覧表を作っておけば、

将来、収支の額に動きがあったら、
容易に祖表を変えて、
資産を把握していくことができます。

つまり、
一度把握すれば後が楽になるということです。


また、老後の生活に入ってから、
ある日突然、
気が付いたら、
お金が無い

ということもなくなります。


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資産の現金化には時間もいる
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持ち家を持っている方のなかには、

上述したように、
将来、
現在所有している不動産を売却して、
賃貸に住む計画を
立てている方もみえるようです。


しかし、売却するには、
当然のことですが、
買ってくれる相手が必要ですし、
希望の価格で買ってもらうことも必要です。

すぐに買い手が見つかれば良いのですが、
通常、ある程度時間がかかります。

現在住んでいる家が、
どのくらいの商品価値があるのか、
知っておくことも重要です。


また、60歳以上の方は、
賃貸のオーナーさんの意向で、
なかなか入居できないのが現状です。
歳をとってから、
賃貸住宅への入居は難しい、
この点も踏まえておくことが必要です。


このようなお話をすると、
「リバースモーゲージ」を利用するから
大丈夫だと言われる方もみえます。

「リバースモーゲージ」とは、
銀行などが
金融商品として扱っている

一言でいれば、持ち家のある高齢者が、
その家を担保に
老後の生活費などを一時金または年金形式で
借りられる貸付制度のことです。

制度の内容は、
個々の金融機関によって異なり、
また将来、相続の問題に
なりかねないこともありますので、

お子さんを含めて
慎重に検討することが必要です。


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現役の時代に把握して対策を打つ
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このようにみてきますと、
やはり、
老後の生活に入ってから、
抜本的な対策を打つのは難しく、

現役のうちに、
まず、ご自身の生涯に渡る資産を把握して、

老後破たんを招かない為にも

老後の対策を打っておくことが
定石のようです。



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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ
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現役中に時間を作り

ご自身の資産を把握して、

老後の生活の設計をしておきましょう


人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ(第342号)
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