親からの遺産分割で、
現金をもらい
相続税を納めても思わぬお金が手元にはいる。

このお金をどうしたら良いの?

たまに
このような相談を受けることがあります。


しかし、親が亡くなり相続することに、
心配な子どももいます。


そこで、今回は、
相続をしたら生活はどうなるのか、
漠然とした心配がある、
子どもの側から見た問題3つを
整理したいと思います。


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(1)何を相続してもらえるかわからない
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事業主の親が事業を引き継ぐために、
それ相当の時間をかけて、
後継者を育てるのが通常です。
後継者にもその期間で
それなりの自覚も出来てくるでしょう。

しかし、個人的な資産を遺産分割する前に、
子どもが親の資産全体を
しかも資産額に換算すると
いくらになるのかまで知っていることは、
資産の規模にもよりますが稀なことが多いです。

一人っ子が相続するのは良いのですが、
兄弟がいる場合、
均等に資産を分割して相続することは、
物理的にも困難です。


また、住宅購入の相談にみえた方のなかに、

親からある程度の金額を、
購入資金の援助はしてもらえるみたい。
だけど、親が亡くなると、
相続税を払わないといけないようだとも
言っているので、
援助してもらえるのかよくわからない。

と言われる方もみえました。


親がご自身の資産総額を算出していないので、
相続をすると相続税が必要なのかもわからない。
という悩みをこの方の親は持っているようでした。

相続税の納付が必要の概算は、
保有資産の総額さえわかれば、
容易にご自身でも計算することができます。

相続税がかかるようであれば、
信頼できる税理士に
相談されてもよいでしょう。


どちらにしても、

親の多くは、所有している
土地建物といった不動産や
金融資産など、
どの子に、何を、どの割合で相続させるのか
決めていないので、

子どもにとっても、
住宅購入資産など、
親が生きている間に生前贈与してもらった方が、
有効にお金を活かせる
絶好の機会を失う可能性もあります。


このように、ならないためには、
子どもの方からも親に
積極的な働きかけも必要でしょう。


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(2)相続した資産を上手くお守りできるか自信がない
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(1)で事業承継をするために
そのための時間をかけるとお話をしました。

しかし、その期間中に
自分は親の事業に向いていないので、
継承したくないと相談にみえる方がいます。

また、親が現在アパートやマンションを経営していて
行く行くは自分がその経営を引き継ぐと思っているが、
昨今の空室の問題
建物のリフォーム費用
固定資産税などの固定費の支出
などを考えると
自分では経営を引き継ぐたくない。

子どもが自立して、
親の住んでいるところとは違う地方で
事業主として、
収入をすでに得ている場合、

親はその子に帰ってきてもらいたいが
子どもは帰ることはできない。

もし、遺産相続をしてもらえるなら
現金や金融資産など
不動産でないものが良い。

といった様々な要望も子どもは持っています。

親には親の考えもあります。

しかし、
子どもの考えは言い出せないものです。

ここは、親が生前に責任を持って、
子ども意見も聞きながら
解決していくことが大切です。


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(3)相続はいらない
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(1)(2)は、子どもは遺産相続を
してもらう意思があるが心配なところもあり、
親の生きている時に、
その心配を解消して欲しいという思いでもあります。


なかには、親は気付いていないようだが
子どもは、まったく相続はしたくない
と思っていることもあります。

子ども全員が
すでに別の場所で居を構えており、
両親が亡くなったら空き家となる実家。

膨大な修繕費か建替えが必要で、
場所柄、今後入居者が見込めない
築古のアパートやマンション。

毎年、税負担が必要となる空地。

など、親は子どものために良かれと
親の現在の家計収支から判断することが
多いと思います。

しかし、子どもの家庭の家計収支には、
相続を受けると
負担になることもあります。


つまり、子どもは、
相続はいらないこともあるのです。


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結論
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遺産相続の問題は、
やはり、親がご自身の資産をいかに分割したら
子どもたちにとって一番良いのか。

子どもの意見を聞きながら
生前に決めておくことです。

ひと昔前には、
私のようなFPのところに、
子どもの方から相続の相談は、
あまりなかったです。

しかし今は当り前のようにあります。

親と子の世代間の考え方のほんの少しのずれで、
親子で言い争うになることもあるようですが、

そこは親子です。

話し合う機会を持てれば、
親子、相互の理解で
うまく解決策が導けるようです。



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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ
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相続の問題は、
親が生きている間に解決しましょう

後に子どもにも、
悔いが残るかもしれません
人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ(第338号)
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