住宅や支払い総額が高額な買い物をする時など、
何にお金を支払うのか、
支払う時に注視していくことをみています。

今回で、一旦このシリーズを終えることとし
老後の生活について考えてみたいと思います。


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老後の生活での家計収支の変化
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いわゆるリタイアをして、

勤め先からの収入ではなく、
年金が家計の主な収入になった時、

家計収支でどんな変化が起こるのでしょう?


収入、支出の順番で見ていきましょう。


まず収入ですが、
今までの給与収入から年金収入に変わります。

60歳で一旦定年を迎え
再雇用されて給与が減った方を含め、
現役の時代より収入は減ります。


支出はどうでしょう

現状維持か、
反対に増えることが懸念されます。

なぜなら、
確かに食費は年齢とともに減るかもしれません。

しかし、水道光熱費は、
リタイア後、定期に行くところがなければ、
基本的には自宅にいますので、
むしろ増えるかもしれません。


また、加齢とともに
医療費が増えるかもしれません。

介護の状態になればその費用も必要ですし、
状況にもよりますが、
その状態で過ごせるように
家の改築費用も必要になるかもしれません。


現役中には必要なかったお金が、
老後の家計から出ていく可能性があるのです。


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老後の生活費を現役の時代から想定しておく
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勤めに行っている時とは、
就業時間など勤務先にあわせて、
平日のスケジュールは決まっていました。

休日のみ
ご自身で、スケジュールを決めればよかった方が
ほとんどでしょう。

しかし、老後の生活に入ると、
毎日が休日になり、
全日ご自身でスケジュールを決めなくてはなりません。


出掛けるにしても、
今までは勤務先から支給された定期券で、
利用できた区間もあったでしょう。

しかし、これからはすべて実費です。


また、週に何回か健康増進のため、
プールに通うならば、
その費用もかかります。

もっとも公営のプールのなかには、
自治体によって、
年齢に応じた補助をしてくれるともあるようですので、
事前に調べておくことも必要でしょう。


他に、上述しましたが、
医療や介護の費用がかかるかもしれません。


このように、老後の生活の一部分を考えても、
現役の時代の生活費に、
上乗せした支出が見込まれます。


それならば、
現役中から家計支出の内容を検討して、
現役中から実際に支出を押さえておけば、
そのペースで、
老後の家計支出も
抑えて行けるのではないでしょうか。


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介護の状態になった場合の費用
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介護の状態になった場合の費用は
どのくらいかかるのか?

質問をよく受けます。

ある調査では、
500万円位から1000万円位
かかったというデータもありますが、

介護の状態にもより
簡単に金額を明示するのは難しい質問です。


ただ、介護の状態になった場合に、
行動することによって、
支出を軽減できることは出来ます。


それは介護認定を受けることです。

要支援1,2
要介護1から5の認定を受ければ、


40歳から支払っている介護保険から、
認定のランクによって違ってきますが、

介護用品を借りたりする費用が、
1割の負担で済みます。

また、家の中に手すりをつけるなど
家の改修をする場合は、
20万円までのうち1割は自己負担、
つまり18万円までは、
介護保険で負担してもらえます。


ただ、あくまで介護認定を受けないと、
介護保険は利用できません。

従って、本人や家族の方が
介護の状態ではないかと思ったら、
ためらわずに介護認定を受けることが先決です。


なお、介護保険は、被保険者(介護保険の対象者)は、
65 歳以上の第1号被保険者)と、
40 歳から64 歳までの第2号被保険者)に分けられます。

第1号被保険者は、
原因を問わずに要介護認定または要支援認定を
受けたときに介護サービスを受けることができます。

第2号被保険者は、
加齢に伴う疾病が原因で要介護、
要支援の認定を受けたときに
介護サービスを受けることができます。
従って、65歳になるまでは
介護保険のサービスを期待することは難しいでしょう。


また、家の改築については上述のように、
介護保険からは上限18万円までですが、

お住まいの自治体によっては、
「障がい者」として
支援してくれることもあります。

具体的は支援金などとして、
改築費用の負担を軽減できる制度があるようです。

市町村役場や社会福祉協議会の窓口で
相談されることをおすすめいたします。


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現役からの準備
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このように考えますと、
現役中に必要なかった費用が、
老後の生活に入ってからいることも考えられます。

収入も減る老後の生活に入ってから、
今後の老後の生活を描くことは難しく、

現役中に家計支出をセーブする
また、老後の生活を描き、
すぐに実行できるように準備しておくことが、

老後の生活にスムーズに入っていき、

老後の生活を心配なく過ごすために
必須なことではないでしょうか




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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ
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現役中の家計収支の習慣が

老後の生活に影響します


「人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ(第316号)
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