スマートフォンを使うにしても、

ただ通話やメールができればいいという方もいれば、

さまざまな裏ワザと言われる機能まで
使わないと気が済まない方もいます。


ただ使い方を知らないばかりに
余分にお金がかかっては
たまったものではありません。

そこでこれから5回、
大きな買い物をするとき、
何にお金を支払うのか、
支払う時に注視していくことを見ていきます。

今回は、住宅ローンについて考えてみます。


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住宅ローンの仕組み
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住宅を購入する時にその資金を
住宅ローンで賄う時、

その住宅ローンの仕組みを
よくわかっていない方がいます。

今まで住んでいた賃貸住宅の家賃と同等額を
毎月支払っていけば、

「家賃は生涯支払っていかなくてはなりませんが、
住宅ローンの返済は期間が定まっていて
その期間後は自分の家になりますよ!」

と、販売業者の方などに言われ
それを信じ
住宅ローンを組む方もみえます。


将来、住宅ローンを完済すれば、
その家が自分の物になること
それは間違いないでしょう。


しかし、お金が家計から旅立って行く理由は
まったく違います。

家賃は単に部屋を借りている期間、
お金を大家さんに支払っているのです。


住宅ローンの返済は、
借入れをした金額を、
返済をする期間と返済利率を、
金融機関と契約をして、

毎月、借り入れた残高について、
契約した利率で、
利息と元本を毎月返済していくのです。


家賃は、引っ越せばその支払いは、
支払わなくても良いのです。

もっとも引越し先で、
また賃貸住宅を借りれば、
家賃はいりますが、


住宅ローンの返済は、
たとえ引越しをしても
完済するまで返済は続きます。


繰り返しになりますが、
完済すれば、
その家は、
名実ともにご自身の持ちものなるのです。


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繰上げ返済に思う
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私のところに
住宅ローンの繰上げ返済をしたらどうなる
と、相談にみえる方もいます。


繰上げ返済は、
返済の途中で、100万円とか500万円と
まとまったお金を一度に返済することで、

繰上げ返済をすれば借入れの残高から元本が減り、

その分、利息の支払い額の減額、
返済期間の短縮の効果があります。

ただ、繰上げ返済の原資には現金が必要です、

ここで現金を使ってしまうと、

将来、現金で必要なお子さんの教育費や
自分たちの老後の生活費の蓄えに
影響が出かねません。

特に、お子さんの教育費に関しては、
進学などお金がいる時に
お金が無くなってしまえば、

住宅ローンより金利の高い、
教育ローンを借りることに
なるかもしれません。


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住宅ローン控除は年間の所得分のみ
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また「住宅ローン控除は、
借入れ後10年間400万円まで、
所得税が控除される」

と販売業者の方に聞いたと言われる方がいます。

確かに間違いではありません。

しかし、もう少し詳しく見ていくと、
住宅ローンで3000万円借りた方が、
その年の年末の住宅ローン残高が2900万円
その年の所得税額が25万円とします。

すると、住宅ローン控除額は、
住宅ローンの残高の1%ですので、
2900万円×1%=29万円

その年の所得額が25万円ですので、

住宅ローン控除額は、25万円です。

所得税額が25万円なので、
住宅ローンの残高の1%の29万円とはなりません。


この方の住宅ローン返済2年目は、
数字をわかりやすくするために、
その年の年末の住宅ローンの残高が2800万円
収入に対する所得税額が31万円だとすると、

住宅ローン控除額は、
住宅ローンの残高の1%ですので、
2800万円×1%=28万円
所得税額は31万円ですので、
31万円-28万円=3万円
3万円を納税することになります。

なお、この3万円を住民税の方から
控除される方もみえますので、
このような場合は個々に確認がいります。


このようにお話しをしてきますと
すでに気付かれた方もみえるでしょう。

10年間で400万円満額住宅ローン控除満額の
恩恵に与る方は、
住宅ローンの借入額も所得も高額とういうことです。

とは言っても、
住宅ローン控除は、
家計にとってはありがたいものであることは
ご理解いただけるでしょう。


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家を持つ意味
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家を持つ意味は、ひと様々です。

それこそ、
生涯賃貸暮らしで良いという方もいるでしょう。


家を持てば、

一応は生涯住むところには困らないとは言えます。

また、銀行に預金をして
金融資産を持つ、

と同様に、

住宅を購入することは、
不動産資産を持つことです。


住宅ローンを返済している間は、
負債も持っていることにもなります。


ただ、購入した家に生涯住むつもりでも、
勤め先の事情で転勤したり
家庭の事情で、
実家に戻ることがあるかもしれません。


そのような場合、
自分の家は、
売却するか賃貸で貸すことになるでしょう。

ご自身が気にいって購入した家でも、
購入したい方
賃貸で借りたい方が見つかるとは限りません

後々のためにも
資産価値のある家を所有することが必要なのです。


つまり、家を購入することは、
金融などと資産同様に、
不動産の資産を持つことです。

また、誰に気兼ねなく生活できる
スペースを持つことです。

そこに支払う対価と
妥当か、検討して支払うことが必要です。



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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ
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住宅ローンを組んでまで家を購入することは、

・資産を持つ
・誰にも気兼ねない安らぎのスペースを得る

これらを得るためにお金を支払うのです
「人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ(第312号)