住宅を購入する時に、
その資金のために、
住宅ローンを借りる人がいます。

住宅ローンの契約をする時に
よく検討しなくてはならないことのひとつが、
返済する期間です。

言い換えれば、
何歳にまでに完済するかと言うことです。


また、その返済資金の一部に退職金を
考えている人もいます。


そこで今回は、

退職金を
住宅ローンの返済資金にしても良いのか
考えてみます。


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退職金の位置づけ
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先回のこのメルマガ(第284号】でも触れましたが、

退職金の使い方は人様々です。

しかし、多くの人は、

退職金は、老後の生活資金に使う。

退職金を使う大きな目的のひとつとして
まずは位置付けておきます。


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住宅ローンと退職金
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住宅ローンを借りる時、
金融機関と契約をする内容のひとつに、

何年間で返済をするのか、

言い換えれば、
何歳までに返済をするのか、
決めなくてはなりません。


その返済期間を決める時に、

返済期間中やもっと先、

契約者が、
80歳90歳くらいまでの
家計収支のシミュレーションをしたり、


契約をする時の収入から、
何とか完済は出来るといったように、

誰でもが、
完済できる見通しをつけて借ります。


その見通しのつけ方ですが、

完済の時期が70歳とか
それ以上の年になる場合、

退職時に受け取ることのできるであろう、
退職金の一部を
返済の資金に組み入れている人もいます。


退職金として、
まとまったお金が手元に入り、

そのお金から、
長年の借金のうち、
まとまった額を返済する、
または、完済してしまう。


確かに、こころの重荷は、
軽くなるでしょう。

しかし、この方法で退職金を使ってしまっても、
その後の老後の生活に問題はないのでしょうか?


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老後の生活はどうなる
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退職金は、
会社や事業所など、
勤め先の規定で支払うことに定められています。

多くの企業では、業績によっては、
上下する場合もあるでしょう。


極端な場合、
勤め先が倒産してしまえば、
退職金どころか、
給与も支払われなくなります。


退職金を
住宅ローンの支払い当てにするならば、

退職金を当てにできない、
老後の生活費を考えておくことが必要です。


住宅ローン完済後、

年金と今までの蓄えだけで老後の生活をするのと、

年金と今までの蓄えと退職金とで、
老後の生活をするのでは、


同じような生活をするのにも、
心持ちは、違ってくるのではないでしょうか。


具体的には、
年金と蓄えが少額の場合、

それこそ、
70歳は80歳くらいになってから、
老後破綻の懸念もあるからです。


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退職金と住宅ローンとの関係
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本当は、現役中に住宅ローンは、
完済出来る借り方をすればいいのですが、

退職金を住宅ローンの返済資金に
使わなくてはならない場合、


現役中から生活水準を下げて、
その家計の状況にもよりますが、
月2万円とか3万円、

老後の生活費に使えるように、
住宅ローンの返済をしながら、
お金も貯めていくことです。


そして、
繰り返しになりますが、

退職金は、
老後の生活費であり、
住宅ローンの返済の資金ではない!


住宅ローンを借りる時に、
しっかりとした、
生涯の家計収支のシミュレーションをして、
いただければと思います。


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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ
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住宅ローンは、
現役中に完済し、
退職金は、
住宅ローンの返済資金ではありません! 

家計の大きな支出は
現役中に済ませておきましょう!


「人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ(第285号)」
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