この国の
いいところのひとつは
里山の風景に出会えることではないだろうか。
収穫の時期を迎えた麦畑を歩くと、
こんもりとした森が見えてきた。
その入り口には鳥居があり
そこだけがポッカリと口を開けてまっている。
まるで別の世界に誘うように。
引き込まれるように入っていく。
虫捕り、が目的である。
狙いは蝶々。
鬱蒼とした下這えの小路、
はるか昔の先人達が作りあげてきた原始の森で、
昔の少年達が、ひらひらひらぷぃ!と網を振る。
森の主に出会う。
立派な樹だ。何百年ここにいるのだろうか。
手を沿え耳を当ててみる。
心が不思議と静まっていく。
ゆっくりと見上げる。
木漏れ日が心地よい。
森には外界と違う神聖な気と力が満ちている。
蝶々がひらひらひらと舞う。
お帰りは、あちら。
また、街へ戻るのか…
母の胎内から
生み出されるように。



