AIサーバーではMLCC使用量が急増している。

モルガン・スタンレーが
「MLCCスーパーサイクル」を宣言した。

需要は本物でも、株は選別が要る。

それを説明していく。

①なぜAIで爆増するのか

MLCCは電気を一瞬で充放電する微小部品。

GPUの電圧変動を吸収しノイズを消す
「縁の下の力持ち」。

AIサーバーは消費電力が桁違いで、
従来比10〜20倍のMLCCを消費する。

・スマホ:800〜1,000個
・EV(L2+):1万個超
・AIフルキャビネット:約32万個

②需給ギャップが本体

構造はシンプル

AIサーバー向け高性能MLCCの需要は2030年に向けて急拡大が見込まれる一方、

供給能力の増強は年10%前後にとどまる。ハイエンド品ほど需給は締まりやすい。

ハイエンドラインは数年先まで予約済み、
新ライン立ち上げに約2年。

2017年型の一時的な在庫ミスマッチではなく

“能力の天井×持続需要”の構造的逼迫、

というのがMSの主張。

③価格はすでに動いているということ

高容量・高信頼性の一部ハイエンドMLCCでは、2026年に入って流通価格が急騰。

スポット品では極端なプレミアムが付く例も出ている。

・契約価格も前期比20〜30%up、大口割引は撤廃
・先端品の納期は26〜40週(平時8〜12週)

村田は4月に15〜35%、
太陽誘電は5月に6〜13%の値上げを実施。

④日韓2社の寡占

ハイエンドAIグレードMLCCは事実上の複占。

AIサーバー向けのハイエンドMLCCでは、
村田とSEMCOの存在感が非常に大きい。

ただし、これはMLCC全体市場のシェアとは
分けて考える必要がある。

MLCC全体だと

村田40/SEMCO18/太陽誘電10/TDK8(%)

車載・サーバーの厳格な認証が壁になり、
低価格勢が入り込めない構造。

⑤最重要ポイントで多くの人が見落とす点。

MSは「産業に強気・株は選別」

村田=トップピック。

小型・高容量・高信頼性MLCCの量産と供給安定性で、村田が最も優位なポジションにある、というのがMSの評価だ

太陽誘電・TDK=目標株価は上げたのにアンダーウェイトへ”格下げ”。

理由は株価の走りすぎ
(太陽誘電は年初来+445%)。

⑥実際の値動き

・村田:時価総額が1カ月で10兆→18兆円、6月は21兆円台に

・太陽誘電:年初来3倍、営業益+91%/純益+536%、受注が5年ぶり1,000億円超

材料・周辺:堺化学(4078)、日本化学工業(4092)、日本ケミコン(6997)、基板のイビデン(4062)も連動。

⑦過熱サインも明確

・セクターPBR 9.6倍(歴史平均1.7倍)
・MS自身「価格急騰の一部は買い占めで実需でない」と警告
・在庫は薄く二重発注リスク
・依然シクリカル。AI調整/中国EV失速/円高が逆風
・村田も「やや楽観的すぎるかも」と言及

⑧天井サイン

天井サインは「納期の短縮」

26〜40週→20週以下に縮み始めたら供給過剰・調整の合図。

チャネルのリードタイムが最速の先行指標。