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純粋なる音の繋がりは、人にどこまで感動を与えることができるのでしょう... とりあえず私の場合はこんな感じです。

川県珠洲市で計画されていた原発が2003年に凍結されるまでの10年間、現地でどのようなことが起こったのか、賛成派と反対派に二分されてしまった住民たちはどのような思いで過ごしてきたのか。巨大な利権が絡み合う複雑な状況で起こる事件と裁判のゆくえ。【ためされた地方自治】


山口県上関町で原発が計画されてから30年、西瀬戸内海の海と山を大切にして営みを続ける祝島の方々の、信念を貫いた活動の記録。電力会社の派遣する調査工事船との一触即発のやりとり。スイシンとハンタイ、ここでも二分されて疲弊される住民の暮らし。そして迎える3.11とその後。【原発をつくらせない人びと】

都市圏内でしか住んだことのない私にとって、原発建設誘致で翻弄される住民の方々の大変さを本当に理解することは難しいですが、著者、山秋さんの、まさに体当たりのルポを読んで、想像を十分に膨らませることができました。

先代から受け継がれてきた生活/文化を大切にして次世代に引き継いでいくか、どうするか決めるのは、もちろんその土地の方々です。外の人がどうのこうの言うものじゃない、そこに飛び込んでいかなければ見えてこないでしょう。

寄り添ってみて見えてくるものがありましょう。
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祝島の磯は、透きとおる海水にさまざまな藻がたゆたい、海の森のようだった。多彩な色やかたちの無数の小さな魚が、その森を自在に行き交っている。あちこちの岩場で、貝はジワジワと、蟹はせっせと動きまわり、生きることに余念がない。【原発をつくらせない人びと/p180】
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生きることの尊さを実感できる、素晴らしい表現だと思いました。

天然エネルギー資源枯渇への備え、CO2排出量の少ない高効率な電源(これを「地球にやさしい」と誇張していた時期も...)。日本の原発開発計画がスタートしてから50年が経ちましたが、環境面も技術面も大きく変化し、今は見直しができる状況と思います。日本人一人ひとりがしっかりと考え、議論し行動する必要があると思いました。

残念ながら、祝島はまだ翻弄されている状態と言えます。山秋さんの Web site から現状が発信されていますので、今後の推移を見守っていきたいと思います。


日本ラグビー界のスーパーヒーローである平尾さんと、ノーベル生理学・医学賞を受賞された世界の山中先生。
同期のお二人が初めて出会ったのは45歳のときだそうです。山中さんは大学のときにラグビー部に所属されていて、平尾さんがアイドルだったそうで、知人を通じて紹介してもらったとのこと。その後、とある週刊誌の対談企画があり、意気投合して、以来親交を深められていったそうです。
しかしながら平尾さんは52歳のときに癌を患ってしまいます。周囲に病気のことは伏せられていたようですが、山中さんにだけは相談されていたようで、当時の最先端医療への助言など、まさにお二人で癌と闘っておられたようです。残念ながら53歳という若さで平尾さんは永眠されてしまいますが、お二人の素晴らしい人間性に触れることのできる素敵な本でした。

ネタバレですが、アスリートたる平尾さんのコメントがわかりやすかったので、ひとつご紹介します。

「チームワーク」と聞くと、日本人は "助け合い" をイメージすることが多いようですが、
本来は "個々人が責任を果たす" ことだと思うんです。

グローバル競争でテッペンを取ろうとしたら、このようなモチベーションが必要ですね!
改めて、私も見習わなければ、と思った次第であります。