これで沖縄は再生する。:朝日出版社
辺野古基地建設のための埋め立てについての賛否を問う沖縄県住民投票で、反対多数という "民意" が示され、玉城沖縄県知事から安部総理大臣および米国トランプ大統領に結果が通知されました。しかしながら、これには法的な拘束力がないこともあり、状況が変わることはなかなか困難なようです。先日も玉城沖縄県知事と安部総理大臣が対話されましたが、従来通りのやりとりに終始されていました。このような状況は、住民投票が行われる前からある程度予想されていましたので、益々混迷の度合いが深くなってしまうのではないかと心配しております。
そんな状況でしたので、このタイミングで、この本を買って読んでみることにしました。次のような構成で書かれています。
①沖縄問題に取り組むための心得
②こんな重要な沖縄だからケンカに勝てる
③沖縄ビジョンX - 1996年国際都市形成構想のブラッシュアップ
④沖縄ビジョンXを実現するためのケンカ道
まずは、戦時中では日本国内で唯一の戦場となってしまったこと、戦後の独立も取り残されたかたちとなってしまったこと。このような沖縄の方々の苦しみを、本土の人々が理解に努め、沖縄の方々に敬意を表しているか、ここからはじめようと橋下さんはおっしゃられています。このスタンスから出発し、沖縄米軍基地問題を日本国民全体の問題としてとらえる土壌がないといけないと。勉強不足だった私は、この問題にちゃんと向き合えていないことを痛感しました。
本書で出てくる「ケンカ」とは(もちろん暴力によるものではなく)政治的に日本国政府とガチンコ勝負する、という意味です。このあたりの表現や手法は、橋下さんの真骨頂ですよね。でもこの「政治的ケンカ」には相当のエネルギーが必要ということは想像に難しくありません。このためにまずは沖縄県が強い力を持てるよう、経済の活性化を最優先課題として取り組むべき、と橋下さんは主張されています。ん、基地問題はちょっと置いておくのか?とはじめのうちは懐疑的に感じましたが、後に「政治的ケンカ」を仕掛けるための基礎体力をつけるという意味で、なるほど合理的な考え方であると感じました。
で、その「政治的ケンカ」を仕掛けるための戦略ですが、現実的にはなかなか難しそうです(苦笑) ネタバレするのでここで具体的には申しませんが、強力なリーダーシップを発揮できる政治家と沖縄県民の方々の覚悟が必要です。しかし「沖縄米軍基地問題を日本国全体の問題として」全国民がキチンと向き合い真摯な議論を高めていくための起爆剤となることは確かなように思えます。
一例として、橋下さんが大阪府知事だった頃、沖縄の米軍基地依存度を緩和する意図で「関西空港を米軍に使ってもらう」という試案を政府(当時は民主党政権)に提案したことがあったそうです。実現はしませんでしたが、実際にこういう行動に打って出ることのできる方の言うことには、一定の説得力、信頼感が生まれてきますよね。
沖縄は地政学の観点からみると、極めて重要な位置づけにあることは言うまでもありません。ポスト冷戦から、米国と中国の覇権争い?など昨今の世界情勢はこれまでに経験のない新たな構造に変わりつつあります。そのような重要拠点・沖縄について、さらに関心を高めたいと、この本を読んで感じた次第であります。
私にできることは極めて限られている、てか何も無いですけど(苦笑)、せめて沖縄に観光に出掛け、美しい風景を見て、美味しいものを食べて、地元にお金を少しでも落したいです。焼け石に水蒸気ですが(笑)
