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mfcs's favorite things

純粋なる音の繋がりは、人にどこまで感動を与えることができるのでしょう... とりあえず私の場合はこんな感じです。

世界の知性21人が問う国家と民主主義 / 聞き手・編 鶴原徹也

 

この本のタイトルを聞いて1960年代にローマクラブが世界に警鐘を鳴らした「成長の限界」を思い出し、また「21 Lesson」の著書 ユヴァル・ノア・ハラリ氏が21人の中に含まれていたので、読んでみました。(夏頃に図書館で貸出予約を入れて(確か30人くらい待ち)、すっかり忘れていたのですが、やっと順番がまわってきましたw)

 

読売新聞編集委員の鶴原氏が、東西冷戦終結後の90年代後半から、米国一強の衰退や英国のEU離脱、不安定な中東情勢、中国の台頭、そして昨年のCovid-19騒動など、先行きの不透明な21世紀をどう見たらよいか、世界の知識人にインタビューをかわしてまとめられた一冊です。リベラル寄りの意見が多い感じ(2016年の米国大統領就任をリスクと扱う意見が多い感じ)ですが、欧州と中東/アジアのかかわりや自由資本主義の変遷など、歴史を振り返り、自分は今後どのような世界で生きていきたいのかを自覚することが大切だなぁ、と再確認しました。

 

ところで今日は衆議院選挙の開票日ですね。G20開催期間にぶつけてくるというのも随分アレだな、とは思いましたが、その前の自民党総裁選から、日本人の政治への関心度も少しは上がったような気がしています。私(および私の家族)はもちろん既に投票済ですが、どのような開票となるのか見守りたいと思います。

 

 

 

 

藤原竜也さん主演映画 鳩の撃退法... 本映画はまだ観ていませんが(苦笑)... 原作を読んでみました。

 

何故か居候の身でデリヘルのドライバーをしている、かつて直木賞を2度も受賞した作家 津田伸一 が巻き込まれる怪しげな事象/事件について、彼の視点で語られていくのですが、彼が見聞きした "事実" と、そこから "想像" される物語全般が、彼の記録つまり小説というかたちでも徐々に披露されていきます。

 

ここから先は、物語の内容には殆ど触れず、あくまでも個人的な感想ですが、小説の構造に触れるところがあり、ひょっとしたらネタバレになるかもしれませんのでご注意ください(笑)

 

 

敢えてラベル付けるとしたらミステリーなのでしょうが、この物語には  "真実" が曖昧な部分が多く、読了しても「で、あの件は結局どうなった?」というモヤモヤ感が解消しないため、いわゆる純粋なミステリー好き読者にはオススメしにくい小説といえると思います。しかしそれは見方を変えると、作家が小説を書きあげるプロセスを疑似体験できる小説ともいえそうで、何だかキツネにつままれた気分ではあるものの「何ぢゃこれ!でもこんな小説読んだことないし、面白かったなぁ」というのが読了直後の私の感想でした。

 

私の一番印象に残ったくだりをここに引用します(下 p442):

 

「小説家は別の場所でふたりを出会わせるべきだ。このことばを、さっきウイスキーを飲みながら、ふと思い出していたのです。たがいに顔は忘れてしまっても、不思議なことに、ことばはよみがえりますね」

 

作家としての信念の一端とでも申しましょうか、ことばの持つ力を信じている人でないと、こういった表現は出てこないだろうなぁと思いました。

 

まぁしかし、作家 津田伸一 の人生はメチャクチャで、このキャラクターを演じられるのはやっぱり藤原竜也さんしかいないですね(笑) 映画もそのうち見てみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

[新版] 生命はなぜそこに宿るのか / 小学館新書

以前、福岡伸一先生の講義の様子がNHKの特番で放送されていたのを何となく見ていて、その中で「人間の細胞は約1年ですべてが作り替えられており、そういう意味で1年前の自分は物質的には全くの別物である」と言われていたことが非常に印象深かったことを思い出したので、この本を買って読んでみました。

本書はバイオテクノロジーの入門書であり、生命探求に心血を注ぐ科学者たちの歴史書であり、そして哲学書でありました。

食べ物を摂取する消化管は我々の身体の中に埋設されているけど、管の中はトポロジー的にみると外部だよね(笑)~これまで食べてきたものでできている我が肉体に思いを馳せ。。
ゲノム解析が一通り完了したといわれている昨今でもなお生命に関することは分からないことだらけだということの意味を認識し。。
デカルトの機械論的思想-物事を単位に分解して個々の部品を理解すること-は生命の成り立ちを紐解く手掛かりとなることは間違いないが、全てを理解するためには不足しているということ。。

本書[新版](といっても2017年の出版)では、2009年の初版当時からのアップデート(例えばIPS細胞に関する話や、福岡先生ご自身のGP2研究のその後など)もあり、今もなお探求は続いているようですが、本書[新版]の出版にあたって新たに追記された最終章「動的平衡の可視化」が非常に興味深いです。約2万の機能、約3兆個の細胞から構成される人間という生命体が、エントロピー増大という自然の摂理に抗いながら行動しつつ、やがて寿命を迎えるまでの様子が分かりやすくモデリングされています。

本書の続編として第2部、3部も出版されていますので、そのうち読んでみようと思います。