コロナ後の世界(内田樹の研究室) ≪続きを読む≫
4月24日(金) 15:00 提供:ガジェット通信
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コロナ後の世界(内田樹の研究室) 『月刊日本』にロングインタビューが掲載された。
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新型コロナウイルス禍は、これからの世界のあり方を一変させると思います。「コロナ以前」と「コロナ以後」では世界の政治体制や経済体制は別のものになるでしょう。
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リスクヘッジというのは「丁と半の両方の目に張る」ということです。両方に張るわけですから、片方は外れる。リスクヘッジでは、「準備したけれど、使わなかった資源」が必ず無駄になります。「準備したが使用しなかった資源」のことを経済学では「スラック(余裕、遊び)」と呼びます。スラックのあるシステムは危機耐性が強い。スラックのないシステムは弱い。
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久しく費用対効果だとか「ジャストインタイム」だとか「在庫ゼロ」だとかいうことばかり言ってきたせいで、「危機に備えるためには、スラックが要る」ということの意味がもう理解できなくなった。
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少なくとも市民の7%くらいが「大人」でないと、民主主義的システムは回らない。…… 民主主義は市民たちに成熟を促します。王政や貴族政はそうではありません。少数の為政者が賢ければ、残りの国民はどれほど愚鈍でも未熟でも構わない。
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民主主義が生き延びるために、やることは簡単と言えば簡単なんです。システムとしてはもう出来上がっているんですから。後は「大人」の頭数を増やすことだけです。やることはそれだけです。
―― カミュは有名な小説『ペスト』のなかで、最終的に「ペストを他人に移さない紳士」の存在に希望を見出しています。ここに、いま私たちが何をなすべきかのヒントがあると思います。
内田 ……
『ペスト』の中で最も印象的な登場人物の一人は、下級役人のグランです。昼間は役所で働いて、夜は趣味で小説を書いている人物ですが、保健隊を結成したときにまっさきに志願する。役所仕事と執筆活動の合間に献身的に保健隊の活動を引き受け、ペストが終息すると、またなにごともなかったように元の平凡な生活に戻る。…… 特に英雄的なことをしようと思ったわけではなく、市民の当然の義務として、ひとつ間違えば命を落とすかもしれない危険な仕事に就いた。……
「紳士」にヒロイズムは要りません。過剰に意気込んだり、使命感に緊張したりすると、気長に戦い続けることができませんから。日常生活を穏やかに過ごしながらでなければ、持続した戦いを続けることはできない。
「コロナ以後」の日本で民主主義を守るためには、私たち一人ひとりが「大人」に、でき得るならば「紳士」にならなけらばならない。私はそう思います。
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コロナ前の世界には、もう戻らないと思います。
というか、よくも悪くも、戻れないでしょう。
リスクヘッジの考え方は、目から鱗でした。
ただ、スラックのないシステムは弱いとわかっても、“体力” がないとできないこと。
余裕がなければ、目の前のことに手一杯で、ますますいざという時のリスクが高まってしまう、という悪循環のループで、頭が痛いところですね。
私は学生時代から、「真理は少数者から始まる」という言葉を信奉しているのですが、少なくとも市民の7%くらいが「大人」にならないといけないというメッセージは、心に響きました。
この数字がどんな根拠をもとにどういう方法で算出されたのかわかりませんが。
「大人」の頭数を増やすには、どうしたらいいのでしょう。
これがまた、難しい……。
でも、コロナ禍を経て、価値観が変わるチャンスかもしれません。
今はちょっと先が見えないだけに、希望の光を見出したいと思います。
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