5月28日(月) 21:30 提供:日刊大衆
……
棋士は対局では何を考えているのか? 羽生氏はそんな質問にこう答える。
「対局ではあまり長く考えすぎないことを心掛けています。長考している時というのは、考えていると言うよりも、迷っているケースが非常に多いのです。だから、迷うくらいだったら踏ん切りをつけて、手を先に進めます。そして、先入観とか恐怖心とか、そういうのを取り除いてどういうふうに見えているかという、そういう視点を大切にしています」
人間は経験を積むと安全なほうを選んでしまいがちになる。しかし、そんな考え方を捨ててこそ、次の局面に繋がるという。
「経験を重ねると選択肢は増えますが、選ぶのも難しくなります。あとこれをやっておけば、まあまあのところに行けるだろうと平均点をとるようなやり方を知らず知らずのうちに覚えてしまうこともあります。だから経験を積めば積むほど、意図的にアクセルを踏んだほうがいいと思っています。経験を重ねるとだんだんアクセルを踏まなくなってくるということはあるので」
■プレッシャーを利用してテンションを高めていく
天才と謳われた羽生氏もスランプを感じていた時期があった。そんな時にはどうやって不調を脱出したのだろうか。
「結果が出ていないのが実力なのか、不調なのかを見極めるという事を最初にします。実力ならば努力をして一生懸命頑張ります。不調というときはやることは間違っていないけど、まだ形にはなっていない状態です。その時は気分を変えるのです。どんなことでもいいのですけど、服装を変えたり、部屋の模様替えをしたり生活の中にアクセントをつけて不調の期間を乗り切ります」
羽生氏は、勝負事の中で生まれるひらめきなど、直感の7割は正しいという。
「直感って適当に選んでいるものではないのですよ。自分自身がいままで経験したことや学習したことが瞬間的に表れているものなんです。だから一生懸命やってきたことに関してはそこそこの精度はある。だけど7割しか当たっていないので、より精度を上げるためにちゃんと裏付けを取ったり、感覚的な判断をしたり確認作業は必要です」
何事にもつきまとうプレッシャー。羽生氏はそれを上手に活用することで能力を引き出すことに繋がるという。
「プレッシャーはあるのですけど、ある程度ほどほどにはあったほうがいいと思っているんです。よく使われる表現で“身が引き締まる思いです”という表現があるじゃないですか。悪い緊張の時って身が強張っているといいます。だから引き締まっているという、適度に力が入った状態を目指してテンションを高めていくことを考えています」
下記の画像をクリックしていただけると
励みになりますので
どうぞよろしくお願いいたします♪
どうもありがとうございます。感謝のうちに。
お問い合わせはこちら