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御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 マラパルテの『クーデターの技術』についての評として以下のように訳されています。

 

「実際のところ、彼(注 ヒトラー)は法的手段によって権力制覇を目指し、彼が軍事力を用いたのは、法的手段による権力掌握を確かにするためだけであった。・・・この点が、労働者の組織を押しつぶした後、ファシスト的暴力を再び用いてリベラル中産階級に対抗したムッソリーニと違う点である。」

 

 確かに、ヒトラーは、合法をまといながら政権を取っていきました。・・・麻生太郎の「ナチスの手口に学べば」とは、つまりは緊急事態条項を「立法」すれば、その枠内で、「合法」に支配=フリーハンドの権力化、を進められるということでしょう。

 

 合法か、違法か・・・。これによって、天国か地獄か、時に、犯罪か否か、の違いがありますが、そもそも、それほど重要ないし本質的な違いなのでしょうか。

 

 合法/違法と正義/不正義、善/悪、とは同じなのか?・・・重なる部分もあると思いますが、まったく重ならないこともあるし、現代では、むしろ逆じゃないの?ということもあると思います。

 

 今は、合法/違法に最も近い基準は、(資本が)儲かるか/儲からないか、だと思います。

 

 仲間内での賭け麻雀は違法(犯罪)で、カジノは合法、にしようとしています。つまり、資本が儲からないのに勝手に賭博すんじゅねえ!ってことでしょう。

 

 

 選挙制度は、法的なインフラ(仕組み)ですが、どんどん、どんどん、時の権力にとって有利な仕組み変えられてきました・・・トランプの「大貧民」のように。

 

 もちろん、その偏った仕組みも「合法」の装いをまとっています。間違っていても、合法は合法。善悪とは(直接)関係ありません。

 

 さて参院選。この改めて権力寄りに仕組まれた選挙制度(合法)の中で、どこまで抵抗できるのか。レーニンが指摘するように議会はただの「おしゃべり小屋」で、選挙なんて、ただのガス抜き、みたいな発想ももっともですが、ゲバラも言うように、ギリギリの「合法」の装いの中で、ギリギリまでやってみる、というのは正しいと思います。

 

 合法/違法と、自分の中のいい/悪いは別。自分の頭でしっかり考えて、合法/違法にとらわれないことが大事だと思います。