資本主義世界は持続可能か?SDGsの核心とギマン | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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    今月、某大学の授業にお邪魔して、上記タイトルでの「問題提起」をしてくる予定です。そもそもSDGsという言葉は、最近、見かけることは多いと思うのですが、皆さん、ご存知でしょうか?

 SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標、だそうです。

 持続可能な開発目標・・・17の目標には第1の「貧困を無くそう」から、「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」「平和と公正をすべての人に」など、素晴らしい目標が並べられています。

 

 おお、なかなかいいじゃないのって?どんなに素晴らしいかって、あの経団連(日本経済団体連合会)が「企業行動憲章」を7年ぶりに改定してSDGsの達成が前面に押し出されており、企業が「持続可能な社会の実現を牽引する役割を担うことを明示した、極めて重要な改定」と位置付けている、とのことです(11/8)。

 

 ・・・まあ、これだけでも胡散臭いと思う人は多いのではないでしょうか。たしかにSDGs、「働きがいも経済成長も」とか「産業と技術革新の基盤を作ろう」とか、企業(資本)と人々の「共存」を前提とした、その意味でも経団連も喜んで取り入れたい、「資本主義」の補完的な目標ということになると思います。

 

 なので、学生に対する問題提起としては、資本主義のままで貧困は無くなるの?他のシステム(共産主義、社会主義的)じゃないとダメなんでは? 偏見持ってない?みたいな話をするつもりです。

 なにしろ「財務省は1日、2016年度の法人企業統計を公表した。企業が得た利益から株主への配当などを差し引いた利益剰余金(金融業、保険業を除く)は前年度よりも約28兆円多い406兆2348億円と、過去最高を更新した。日本の景気は回復基調を続けているが、企業のいわゆる「内部留保」は積み上がっている。」(11/12)とのこと。

 

 しかし、企業の純利益は1996年から2016年で、5.6倍に増えながら、人件費は2%増、とのこと(朝日11/12)。「日本の景気」って「企業の景気」なんだね、って・・・。

 そして「平成に入ると、不況になったときの『調整弁』としても非正社員を雇うようになった。必要なときに必要な量だけ仕入れる部品のように、働く人が扱かわれるようになった」と記事は続きます。

 

 トップ8人に下の方の36億人分の富が集中しちゃう今。「働きがい」はなく「経済成長」だけが追い求められる新自由主義下の資本主義。「持続可能」「開発」・・・って言われてもねえ・・・。

 

 いずれにせよ世界は曲がり角。我慢できないくらい歪つな世界。私的所有制度、国家の暴力独占システムなどなど、オルタナティブを考えるきっかけになるようなやりとりがしたいと思います。