「ジャパン・アズ・ナンバー27」 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 落合陽一さんという方が、2015年末、ネット上でつぶやいた内容が話題になっています。

「日本人のセルフイメージって2010年のGDPのままな気がする.中国に抜かれたって大きく報じられたから今でも僅差だと思ってる人多すぎる.今日本のGDPはアメリカの約1/4 だし,中国の半分以下だし,一人あたりは世界27位の貧しさだ。」

 今、いわゆる繁華街に行くと、外国人観光客がたくさんいます。「爆買い」しています。

 20年くらい前、私も、かなりアジアを旅行しました。バリ、カンボジア、タイ、フィリピン、ベトナム・・・。「爆買い」ではないけれど、日本で買うよりは「お得感」があったので・・・気楽にショッピングを楽しんだ記憶です。

 ・・・今、「爆買い」の外国人は、この感覚で買い物をしているのでしょう。自分の国で買うより、日本で買う方が「お得感」がある程度に廉価ということです。

 実際、中国と比較しても、凄まじいスピードで、GDPの差は開いています。その上、人口が違うので、すでに日本の平均貯蓄額より上回る人の人口は一億人以上という指摘もあります。

 この現実は、しっかり見た方が、世界標準でモノを考えられると思います。簡単にいうと、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」なんて、遠い過去(1979年!)で、いまは、「ジャパン・アズ・ナンバー27」という程度だということです。

 ・・・さて、これをどう考えるか。「日本の国力をあげなければ!他国に負けてたまるか!」になるのか、「ま、そんなもんでしょ」なのか。そうではなくて、「別に、日本(国)にこだわらなくてもいいんじゃない?」というスタンスもあると思います。インターナショナルな感覚ですね。

 どこかしらナショナルな優越感で、日々の自分の劣等感を補おうというのは、どこの国に住む住民にもあることだと思います。「俺はいま、たいしたことないけど、この国はすごいんだ!」みたいな、ね。

 だけど、いまの日本では、少なくとも経済でいえば、それは成立しない、ということです。それが現実ということです。

 この現実を自分のモノにするのは、ちょっとチャンスな気はします。つまり「幻想としてのナショナリズム」を克服し、自分と仲間、自分と世界、の関係をストレートに捉えるという意味で。

 つまらない、国家的な優越感とか無用です、というか有害でしょう。経済的にはたいしたことのない国の人々として、自分は何を誇りに生きていくか、ということを考えることは、21世紀のいま、日本というローカルで生きる私たちにとって、最新の考え方かもしれませんよね。PEACE!

                表は「世界経済のネタ帳」より
「世界経済のネタ帳」より