今年の5月13日に97歳でこの世を去ったドリス・デイ。歌って踊って演技ができる稀有な女優さんでした。
ドリス・デイはミュージカル映画を中心に多くの作品に出演していますが、中でも「知りすぎていた男」(1956)の次ぐらいによく知られているのが「情欲の悪魔」(1955)ではないでしょうか。「カラミティ・ジェーン」(1953)や「情熱の狂想曲」(1949)なども好きですけどね。
「情欲の悪魔」は、1920年代から30年代に活躍し、トーチソングの女王と呼ばれたルース・エッティングの伝記映画です。
原題は、”Love Me or Leave Me”。
直訳するなら「愛してくれないならほっといて」でしょうか。
しかしこの邦題はどうなんでしょうね?「情欲の悪魔」
自宅でDVDを見るときは、いちいち「変な映画じゃないから、、」なんて言い訳しないといけないという・・・。
どれだけ映画を見ても、「情欲の悪魔」というタイトルは思い浮かびません。ジェームズ・キャグニーの強烈な演技、妻に対する嫉妬心、支配欲、何でも強引に物事を推し進めていくというキャラクターからこういうタイトルをつけたものと想像しますが、それにしてもすごいタイトルです。
しかしどれだけ長い間「情欲の悪魔」が頭に刷り込まれていても慣れることがない、違和感が残ってしまうタイトルです。
この映画はドリス・デイが多くの曲を歌います。数えてはいませんが、10曲程度は歌っていると思います。
しかしミュージカルではありません。あえて言うなら音楽映画です。そしてとてもシリアスなドラマです。
同列では比較できませんが、ドリス・デイの歌、そしてそれに負けないジェームズ・キャグニーの強烈で圧巻の演技が堪能できます。残念ながらジェームズ・キャグニーは一切踊りません。
それにしても、ルース役のドリス・デイがこれだけ笑わない映画は初めて見ました。舞台に出ているときとピアニストのジョニーといるときは満面の笑顔を見せますが、夫役のジェームズ・キャグニーといるときは一切笑顔を見せません。それだけルースと夫とは不仲だったということでしょう。
1955年 アメリカ
監督:チャールズ・ヴィダー
出演:ドリス・デイ、ジェームズ・ギャグニー、キャメロン・ミッチェル
(ネタバレあり)
1920年代のシカゴ。
ナイトクラブで踊り子として働くルース・エッティング(ドリス・デイ)が、客とトラブルを起こし店を解雇されてしまう。
その様子を見ていた街の顔役マーティン・スナイダー(ジェームズ・キャグニー)はルースに一目ぼれ。ルースをほかの店に紹介し、ピアニストのジョニー・アルダーマン(キャメロン・ミッチェル)を歌のコーチとして招聘。自身はマネージャーとして歌手志望のルースを育て上げていく。
やがてルースとマーティンは結婚。
徐々に歌手として売れていくルースは、ラジオに出演するようになり、さらにジーグフェルド・フォリーズへの出演の話が持ち上がる。
しかしその演出が気に入らないマーティンは、ジーグフェルド・フォリーズへの出演を断り、ルースは全国を回るツアーに出るようになる。
ツアーはロングランとなり、観客動員もうなぎのぼりになっていく一方で、強引なマーティンのやり方に不満を持ったルースの心は次第にマーティンから離れていく。
映画に出演するため、ハリウッドに向かったルースは、ピアニストのジョニーと再会する。ジョニーはルースに愛を告白し、ルースもそれに応える。
それを見ていたマーティンはジョニーを銃で撃ってしまう。
裁判前に仮釈放されたマーティンが自分の劇場に向かうと、目を疑う光景があった。別れた元妻のルースが舞台で歌っているのだった。まさかルースがそこにいるとは。ルースは、今まで歌手として育ててくれたマーティンへの感謝の気持ちから舞台に立っていたのだった。
この映画は、ドラマとしても非常によくできています。ドリス・デイが歌うだけという単なる音楽映画ではなく、ルース・エッティングとその夫マーティン・スナイダーの愛憎劇であるとも言えます。
私にとって最も馴染みのあるのがこの曲です。
ドリス・デイの歌と踊り"Shaking the Blues Away"
ドリス・デイと聞いて、真っ先に思い浮かぶのは何かと聞かれれば、「知りすぎていた男」(1956)と答える人が多いのではないでしょうか。
「情欲の悪魔」とは関係ないですが、「知りすぎていた男」で歌われるドリス・デイの代表曲を聞きながら在りし日の彼女に思いをはせたいと思います。
ケ・セラ・セラ(オリジナルの詩に日本語の訳詞付き)
ドリス・デイはミュージカル映画を中心に多くの作品に出演していますが、中でも「知りすぎていた男」(1956)の次ぐらいによく知られているのが「情欲の悪魔」(1955)ではないでしょうか。「カラミティ・ジェーン」(1953)や「情熱の狂想曲」(1949)なども好きですけどね。
「情欲の悪魔」は、1920年代から30年代に活躍し、トーチソングの女王と呼ばれたルース・エッティングの伝記映画です。
原題は、”Love Me or Leave Me”。
直訳するなら「愛してくれないならほっといて」でしょうか。
しかしこの邦題はどうなんでしょうね?「情欲の悪魔」
自宅でDVDを見るときは、いちいち「変な映画じゃないから、、」なんて言い訳しないといけないという・・・。
どれだけ映画を見ても、「情欲の悪魔」というタイトルは思い浮かびません。ジェームズ・キャグニーの強烈な演技、妻に対する嫉妬心、支配欲、何でも強引に物事を推し進めていくというキャラクターからこういうタイトルをつけたものと想像しますが、それにしてもすごいタイトルです。
しかしどれだけ長い間「情欲の悪魔」が頭に刷り込まれていても慣れることがない、違和感が残ってしまうタイトルです。
この映画はドリス・デイが多くの曲を歌います。数えてはいませんが、10曲程度は歌っていると思います。
しかしミュージカルではありません。あえて言うなら音楽映画です。そしてとてもシリアスなドラマです。
同列では比較できませんが、ドリス・デイの歌、そしてそれに負けないジェームズ・キャグニーの強烈で圧巻の演技が堪能できます。残念ながらジェームズ・キャグニーは一切踊りません。
それにしても、ルース役のドリス・デイがこれだけ笑わない映画は初めて見ました。舞台に出ているときとピアニストのジョニーといるときは満面の笑顔を見せますが、夫役のジェームズ・キャグニーといるときは一切笑顔を見せません。それだけルースと夫とは不仲だったということでしょう。
1955年 アメリカ
監督:チャールズ・ヴィダー
出演:ドリス・デイ、ジェームズ・ギャグニー、キャメロン・ミッチェル
(ネタバレあり)
1920年代のシカゴ。
ナイトクラブで踊り子として働くルース・エッティング(ドリス・デイ)が、客とトラブルを起こし店を解雇されてしまう。
その様子を見ていた街の顔役マーティン・スナイダー(ジェームズ・キャグニー)はルースに一目ぼれ。ルースをほかの店に紹介し、ピアニストのジョニー・アルダーマン(キャメロン・ミッチェル)を歌のコーチとして招聘。自身はマネージャーとして歌手志望のルースを育て上げていく。
やがてルースとマーティンは結婚。
徐々に歌手として売れていくルースは、ラジオに出演するようになり、さらにジーグフェルド・フォリーズへの出演の話が持ち上がる。
しかしその演出が気に入らないマーティンは、ジーグフェルド・フォリーズへの出演を断り、ルースは全国を回るツアーに出るようになる。
ツアーはロングランとなり、観客動員もうなぎのぼりになっていく一方で、強引なマーティンのやり方に不満を持ったルースの心は次第にマーティンから離れていく。
映画に出演するため、ハリウッドに向かったルースは、ピアニストのジョニーと再会する。ジョニーはルースに愛を告白し、ルースもそれに応える。
それを見ていたマーティンはジョニーを銃で撃ってしまう。
裁判前に仮釈放されたマーティンが自分の劇場に向かうと、目を疑う光景があった。別れた元妻のルースが舞台で歌っているのだった。まさかルースがそこにいるとは。ルースは、今まで歌手として育ててくれたマーティンへの感謝の気持ちから舞台に立っていたのだった。
この映画は、ドラマとしても非常によくできています。ドリス・デイが歌うだけという単なる音楽映画ではなく、ルース・エッティングとその夫マーティン・スナイダーの愛憎劇であるとも言えます。
私にとって最も馴染みのあるのがこの曲です。
ドリス・デイの歌と踊り"Shaking the Blues Away"
ドリス・デイと聞いて、真っ先に思い浮かぶのは何かと聞かれれば、「知りすぎていた男」(1956)と答える人が多いのではないでしょうか。
「情欲の悪魔」とは関係ないですが、「知りすぎていた男」で歌われるドリス・デイの代表曲を聞きながら在りし日の彼女に思いをはせたいと思います。
ケ・セラ・セラ(オリジナルの詩に日本語の訳詞付き)