今日は、クリスマスにおすすめの映画10本目、「街角/桃色の店」(1940)です。

トム・ハンクスとメグ・ライアンが共演した「ユー・ガット・メール」(1998)はこの映画のリメイク。


1940年 アメリカ
監督:エルンスト・ルビッチ
出演:マーガレット・サラヴァン、ジェームズ・スチュワート、フランク・モーガン

街角/桃色の店


ハンガリーのブダペストのとある街角にある雑貨店のマトチェック商会。そこで働く人々の物語。

クラリク(ジェームズ・スチュワート)は、店主マトチェック(フランク・モーガン)の信頼が厚く販売主任を任されている。

そこへクララ(マーガレット・サラヴァン)という女性が現れ、店員として雇ってほしいという。しかしクラリクは人は足りているとして一旦は断ってしまう。

しかしクララは諦めない。店主マトチェックにうまく取り入り、採用されることになる。

クラリクとクララはその店では上司と部下という関係になったが、もうひとつ彼らにはお互いが知らない関係があった。

彼らは文通相手だったのだ。店ではことごとく対立し衝突ばかりするふたりだったが、文通相手としてはまったく逆であり、お互いが理想の相手だと考えている。

クリスマスが近いある夜、ふたりはカフェで会う約束をするのだが・・・。



原題は「The Shop Arround The Corner」で直訳すると「街角の店」。これに対し、邦題は「街角/桃色の店」。これはビデオ発売時のタイトルで元々は「桃色(ピンク)の店」だそうです。

邦題を見ると一瞬ドキッとしますが、1940年当時は、ピンクを現在のようなイメージではとらえていなかったと思われます。ピンクには"最高の"というような意味もあるのでそういうイメージでタイトルをつけたのかも知れません。

単なるラブストーリーではなく、いろんな要素が詰まった作品です。

クリスマスをまじかに控えた店とその喧噪。店主のマトチェックが販売主任のクラリクに対して持った誤解とその修復。店主の病気、入院、快復、店への復帰。そしてクラリクとクララの恋の行方。

もちろん携帯電話などない時期ですから知らない人と待ち合わせるのは大変だったでしょうね。手紙でやり取りしてから待ち合せるんですから。待ち合わせにあたっては、トルストイのアンナ・カレーニナの本とカーネーションが小道具として使われています。

ところでこのころ公衆電話はあったんでしょうか。Wikipediaによれば、19世紀からあったと書かれていましたし、先日ご紹介した「我が道を往く」(1944)の中で公衆電話が出てきたので、そのころにはある程度普及していたことがうかがえます。


名前のクレジット順は、映画でもマーガレット・サラヴァンが最初で2番目がジェームズ・スチュワートだったので、ここでもその順番にしました。



予告編






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