音楽家(作詞家、作曲家、歌手、演奏者)を描いた伝記映画はたくさんあります。ざっと知っているものだけ数えてみても40~50本ぐらいにはなります。ダンサーを含めればさらに増えるでしょう。

全部挙げてみようかとも思ったのですが、かなり多くなるので別の機会に譲るとして今回は、その中でバンドリーダーだった人の伝記映画だけを挙げてみると、

トミー&ジミー・ドーシー物語(1947)・・・トミー・ドーシー、ジミー・ドーシー
グレン・ミラー物語(1954)・・・グレン・ミラー
ベニイ・グッドマン物語(1955)・・・ベニー・グッドマン
愛情物語(1956)・・・エディ・デューチン
5つの銅貨(1959)・・・レッド・ニコルズ

ぐらいでしょうか。ほかにもあるかも知れません。

グレン・ミラー物語」と「愛情物語」についてはすでにレビューしました。今日は兄弟でビッグバンドのリーダーとなったトミー・ドーシーとジミー・ドーシーの半生を描いた伝記映画「トミー&ジミー・ドーシー物語」をご紹介します。


1947年 アメリカ
監督:アルフレッド・E・グリーン
出演:トミー・ドーシー、ジミー・ドーシー、ジャネット・ブレア、チャーリー・バーネット、ポール・ホワイトマン


トミー&ジミー・ドーシー物語



1930年代から50年代にかけて活躍したビッグバンドのリーダー、トミー・ドーシーとジミー・ドーシー兄弟の伝記映画(ジミーが兄)。

物語は1916年にスタートします。


トミーとジミーの父親トムは炭鉱夫として働くかたわら、音楽教室で生計を立てていた。炭鉱に未来はないと考えたトムは、2人の息子に音楽で身を立てさせるため、トミーにはトロンボーン、ジミーにはサックスを教え込む。

数年後、2人はドーシー・ブラザーズ・オーケストラを結成するが、やがて音楽性の違いから仲たがい。それぞれ別々のオーケストラとして成功を収めるのだった。



音楽家の伝記映画が大好きです。特にジャズがいいですね~。


この映画には、トミー・ドーシーとジミー・ドーシー本人が出演しています。ここが「グレン・ミラー物語」や「愛情物語」と大きく違うところです。伝記もので本人が出演している映画をほかに知りません。

ただ、本人が脇役として出ているのはいくつかあります。
例えば、「グレン・ミラー物語」、「上流社会」、「5つの銅貨」にはルイ・アームストロング、「アメリカ交響楽」にはオスカー・レヴァントが本人役で出演しています。


この映画では、ポール・ホワイトマンを初め、チャーリー・バネット、ジギー・エルマン、ボブ・エバリー、ヘレン・オコンネルなど錚々たるプレーヤーがゲスト出演し、"アマポーラ"や"トゥー・ミー"など耳に親しんだ曲が多く演奏されます。


また、盲目のピアニスト、アート・テイタムがソロで演奏しているところへ、トミーとジミーらが加わって演奏するジャムセッションが素晴らしい。アート・テイタムも本人役です。



映画の中では、トミー・ドーシーのテーマ曲”I'm getting sentimental over you”は冒頭部分しか聞けません。こちらからすべて聞けますのでよろしければどうぞ。



映画の中でトミーとジミーが仲たがいするきっかけとされている曲"ネバー・セイ・ネバー"
演奏のスピードに対する考え方の違いということになっています。
弟のトミーはもっと速く、兄のジミーはもっと遅く、演奏することを主張します。



アート・テイタムとのジャムセッション






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