全世界のフュージョンファンの皆様、こんにちは、こんばんわ
わかってますよ
どんだけサボるねん!でしょ?
そうなんです
さぼってました
でもこれは千葉県からまっすーがきたせいなので全ての責任はあの男にぶつけます
また後日詳細書きますね
久々の更新となった本日ですが、以前クリッパーイエローをフルメンテナス、そしてカスタムさせていただいたN様の2台目の車両をメンテナスの為御入庫いただきました
2台持ちっていいですよね
でも実はお客様結構複数台持ちの方は多いんですよ!
東京とかなら場所の関係上厳しいと思いますが大阪なら停めれる場所もまだ多いので
というか本当はN様3台持ちなんですけどね…笑
今回御入庫した車両ですが
じゃーん!今では本当に希少となったナッソーブルーメタリックというHONDA純正カラーですね
実は2021年一発目にもF様のナッソーブルーをメンテナンスさせていただいたので、今年に入ってもう2台目
なかなかお目にかかれるカラーではないので何回見ても本当に目の保養です!
では早速こちらの車両を点検していきましょう!
オーナー様からの情報では最近他店さんより購入して全体的にメンテナンス済みという事ですが、当店のジャッジは〝鬼〟厳しいので細部まで洗いざらい、きっちりヒーヒー言わせながら点検します
シートを取り外してエンジンルームを確認。
遠目で見ると問題はなさそうです
キャブレターを取り外して確認
綺麗ですね
バタフライ側も綺麗です
しかしよく見るとガソリンが漏れた形跡が…
これ本当によくあります。
一見見れる所だけは綺麗にしててもガスケットを新品に交換してないうとこうなります。
厳しい事を言わせてもらいますが、これがバイク屋の実態ですよ
キャブレターを開けて清掃をしたらガスケットを交換しないといけない事はわかっているはずです。
しかしそれをやってないのは何故か?
理由はコスト削減でしょう
コスト削減と聞けば聞こえはいいですが、それはお客様にとってデメリットでしかありません。
フュージョンを本気でメンテナンスしてるお店…僕は正直あそこしか思い浮かびませんね
安い値段で販売しているお店はメンテナスをしていないから安く販売できる訳なので、当たり前の事なのですが安すぎるお店は改めてこちらの事を思い出してみて下さい
フュージョンを本気でメンテナスしたら絶対に40万円〜50万円の価格帯になるはずです
気を取り直しつつサーモスタットを確認!
緑色の粉みたいなのが付いてますよね?
これは冷却水が漏れて乾いた症状。
つまりサーモスタット及び、ホースはかなり劣化してるという事、
開けられた形跡も清掃された形跡もないので、間違いなくこのタイミングでサーモスタットを交換した方がいいですね
インシュレーターには細かいですがヒビがあり、エンジン側の隙間は茶色く変色してます
間違いなく二次エアー吸っているのでインシュレーター及びOリングの交換は必須ですね!
当店の場合、仮にインシュレーターが大丈夫な場合でも、取り外したら絶対にOリングは新品に交換します
ガスケット、Oリングは外したらそのまま使ってはダメなんです。
当然の事を当然のようにしているお店って皆さまが思っている以上に少ないですよ
暗くて見にくいですが、写真左上の配線付近からオイルミストが漏れてます
ここは必ず漏れるのですが、間違いなく一度も開けられてないと思うので綺麗にしてガスケット交換、そして配線の所をシールした方が安心ですね
で、下側はどうかというと…
オイルでギトギトですし、ウォーターポンプのチェックホールから冷却水が漏れてます
でもほとんどのバイクショップはこれで点検OK!そのまま販売する訳です
本当に怖いですよ
症状を改善するにはウォーターポンプのメカニカルシール、オイルシールなどを交換する必要があります!
圧縮を測ります!
問題ない数値ですね
マフラー付近の点検を行います!
マフラーバンドはいつも通りサビサビ。
ジョイントガスケットもかなりくたびれてますね。
少し柄が気持ち悪いです
写真撮影し忘れましたがスタッドボルトやナットもサビサビでしたので相対的な交換でリフレッシュが必要でしょう!
フランジガスケット交換は安心点検に含まれているので自動的に新品交換となります
リアタイヤの状態を確認!
あまりみた事がないタイヤパターンですが残量は問題ないですね
次にリアサスペンションのブッシュを確認
完全に割れているのでアウトですね
下の方はまだ大丈夫ですがせっかくなのでこのタイミングで全て新品ブッシュにしてて損はないでしょう!
駆動系やエアクリーナー関係をチェックします
エアクリーナーは少し汚れがあって、ベルトケースエレメントはしっかり形を保ってますね
しかしマニアックな話をするとエアクリーナーの色が少しオレンジ色っぽいですよね?
一概には言えないですがこれ古い物なので新品に交換した方が今後気持ちよく走れるのは間違いないですね。
一度リセット!これはすごく大事です
ベルトケース内はこんな感じで汚れてます。
アップした写真撮影を忘れてましたが、ベルトケース左上のボルトの部分が茶色くなっているのがお分かりでしょうか?
これはエンジンマウントから出てるサビですので、エンジンマウントのインナーカラー、アウターカラー、Oリング、そしてエンジンハンガーのブッシュやベアリング全て交換推奨となります!
面倒で少し予算がかかる場所ではありますが、これを交換すると〝本物のフュージョンの乗り心地〝が復活します!
ドライブベルトを確認!ヒビはなく良好ですね
しかしベルトは社外品が使用されてますね
これはRKというメーカーで有名なので全てが悪いという訳ではないのですが、走行時の音が若干うるさく感じる事と、耐久性が純正に劣るというデメリットがあります。
通常純正のドライブベルトは1万円オーバー、RKは3000円〜4000円。
その値段の差は倍以上ありますよね?
お店にベルトお願いします!と依頼しても、そこにどんな製品が使われているかはユーザーは知る由がありません。
例えばベルト交換で15000円の工賃を設定したとしましょう。
純正品なら利益は5000円程、社外なら10000円程。
もしあなたならバイクショップを経営されているならどちらの選択肢を取られますか?
経営している以上、利益は上げる事、そしてそのスキルは必要不可欠です。
しかし、その事ばかり追求していると本質を見失うでしょう。
普段見えない所にどんな製品が使われていて、どんな作業が行われているのか。
例えばお客さんの予算を考えて、それなら今回は純正品に比べてお安いベルトがあるので、一度こちらで様子を見ますか?
と、提案してくれるショップはすごく親切だと思います
当店はこういう普段見えない箇所をスケルトン化するという事を創業よりコンセプトとして行っております
気になる方は当店のInstagram(mf022016)のページを見てね
フォローしてくれたら色々な情報も発信してるので是非
ウエイトローラーはまだ新しいですが、こちらも社外品が使用されています。
ウエイトローラーは重さが変わるとかなり乗り味が変わります。
もし最初にフュージョンに乗った方ならこれがフュージョン本来の乗り味って思うでしょうね
それと先程の話にまた戻りますが、恐らくウエイトローラーのみ交換されていて古いグリスを除去されて形跡がありません。
一口にウエイトローラーの交換といっても色々あって単にウエイトローラーのみを交換するという方法もありますが、当店的にはこれ完全NGです。
ウエイトローラー交換の他にも
・プーリー洗浄を行い、古いグリスをしっかり落とす
・スライドピース交換
・Oリング交換
・オイルシール交換
等がありますよね?
もしウエイトローラーのみを交換してグリスの補給のみを行ったとしましょう。
その場合Oリングやオイルシールは交換されてない事になるので、遠心力でグリスがベルトケース内に飛び散り、まともに運転できなくなります。
特に古いグリスをそのまま使うと粘度が弱くなっているので余計飛び散ります。
当店はこういう事が起こらないよう、徹底してOリングやオイルシール、そしてパーツの洗浄を行っております
頼まれ事は試され事だと思ってますので、基本的に頼まれた以上の事を常に考え、お客様へご相談、そしてご提案する事を心がけております
クラッチを分解します
サビと汚れがかなりありますね
単純に一般的な消耗品のみ交換していると車両の状態は一時的に回復する事があっても、根本的に改善する事はありません。
フュージョンみたいな古いバイクは相対的なメンテナスが必要不可欠です
その一例をご説明しましょう。
クラッチ残量はノギスで計測すると約2.4㎜。
限界値は1.5㎜なので残量的にはまだ大丈夫ですが…
これを見て下さい。
クラッチシュウに磁石を当てるとガッツリくっつきました。
本来くっつかないですが、シュウに金属がめり込んでいて、その金属のかけらに反応して磁石が反応してるんです。
これは本来あってはならない症状です。
クラッチシュウの残量があるから大丈夫!ではなくて、こういう症状が起きている事をしっかりお客様に伝え、どの様にしていくかをちゃんとご提案しないといけないですよね
この場合だとクラッチシュウの交換クラッチスプリング交換、クラッチダンパー交換、Eリング交換、そしてクラッチアウターの交換を推奨するという訳です。
もちろんクラッチシュウやアウターだけではなく、トルクカムのベアリングやローラーガイド、ローラーガイドピン、センタースプリング、サイドプレート、各種Oリング、オイルシールの交換、ギアオイルの交換、そしてトルクカムにできたバリを削って滑らかにするといった事も含めて総合的にです。
次はフロントアッパーを取り外してラジエター付近を点検
こちら側のラジエターホースから冷却水が漏れた形跡はないので良好!
こちら側も問題ありませんね
しかしラジエターキャップの内側のゴムは伸びて大きくなっています。
ラジエターキャップは最低でも2年に一度交換した方がいいパーツだと思っているので、このタイミングで交換をご提案します!
アクセルワイヤーはほつれなく良好。
点検メニューに含まれるワイヤー注油を行い、動きをスムーズにしておきます!
アクセルワイヤーの注油を行えば車両によってはかなりアクセルが軽くなって悪い状態が大きく改善されますよ
キャリパーサポートの状態とブレーキパッドの状態を確認。
交換されているようですが、謎なメーカーですので高品質でタッチのいいパッドへの交換を推奨致します。
命を守るブレーキは本当に信頼のある製品を使う事が大切ですね
フロントサスペンションブッシュはまだ大丈夫ですが、リアと一緒にこのタイミングでリフレッシュがいいでしょう!
ブレーキローターの残量は3,99㎜。
限界値は4㎜なのでアウトです。
薄くなると本当に危ないので交換必須ですね
ブレーキキャリパーを分解してピストンのシールまで交換してくれるショップも正直かなり少なく、揉みだして簡易的に清掃で終わらせる所がほとんどでしょう
これまでの色々な所を見させてもらって、以前メンテナンスしたショップの方はどんな方だったのかを想像し、そういう情報も交えながらお見積もりを作成し、お客様へご提案を行います
お見積もりを送って回答を待っている間にキャリパーを分解して各部を徹底的に清掃、
ピストンの状態をチェックしつつ磨いて綺麗にしていきます
綺麗になったらピストンシールを交換して組み上げます!
そしてキャリパー自体もお化粧し直せば完成!
ではお客様の回答を待ってメンテナンス編に進みたいと思います