『開目抄 上』(佐後)[曾存] | 細雪の物置小屋

細雪の物置小屋

御宗祖御開山遺文DBを中心に投稿します。
[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

其(そ)の上 舎利弗(しゃりほつ)・迦葉(かしょう)等の二乗は二百五十戒・三千の威儀(いぎ) 持整(じせい)して、味・浄・無漏(むろ)の三静慮(さんじょうろ)、阿含経をきわめ、三界(さんがい)の見思(けんじ)を尽くせり。知恩報恩の人の手本なるべし。然(しか)るを不知恩の人なりと 世尊 定め給(たま)ひぬ。其の故(ゆえ)は父母の家を出(い)でて出家の身となるは必ず父母を すく(救)はんが ため(為)なり。二乗は自身は解脱(げだつ)と をも(思)えども、利他の行か(欠)けぬ。設(たと)ひ分々の利他ありと いへど(雖)も、父母等を永不成仏(よう ふじょうぶつ)の道に入(い)るれば、かへりて不知恩の者となる。
(平成新編0530・御書全集0192・正宗聖典0081・昭和新定[1]0766・昭和定本[1]0544)
[文永09(1272)年02月(佐後)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]