『弟子檀那中への御状(弟子檀那中御書)』(佐前) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 大蒙古国(だいもうここく)の簡牒(かんちょう)到来(とうらい)に就(つ)いて十一通の書状を以(もっ)て方々へ申さしめ候(そうろう)。定めて日蓮が弟子檀那(だんな)、流罪(るざい)死罪 一定(いちじょう)ならんのみ。少しも之(これ)を驚くこと莫(なか)れ。方々への強言(ごうげん)申すに及ばず。是(これ)併(しかしなが)ら而強毒之(にごうどくし)の故(ゆえ)なり。日蓮 庶幾(しょき)せしむる所に候。各々(おのおの)用心 有るべし。少しも妻子眷属(けんぞく)を憶(おも)ふこと莫れ、権威を恐るゝこと莫れ。今度(このたび)生死(しょうじ)の縛(ばく)を切りて仏果を遂(と)げしめ給(たま)へ。鎌倉殿(かまくらどの)・宿屋入道・平左衛門尉(へいのさえもんのじょう)・弥源太(やげんた)・建長寺・寿福寺・極楽寺・多宝寺・浄光明寺・大仏殿(だいぶつでん)・長楽寺[已上(いじょう)十一箇所]。仍(よ)って十一通の状を書きて、諫訴(かんそ)せしめ候(そうら)ひ畢(おわ)んぬ。定めて子細(しさい)あるべし。日蓮が所に来たりて書状等 披見(ひけん)せしめ給へ。恐々謹言。
(平成新編0380~0381・御書全集0177・正宗聖典----・昭和新定[1]0579・昭和定本[1]0436~0437)
[文永05(1268)年10月11日(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]